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「昔っから強情でねぇ、人見知りで。でもええ子なんよ、ほんとうは」
私のついていた精一杯で下手くそな嘘。
見破られる隙はないと思ってたけれど、やっぱりばれてたのかもしれない。
「それは俺ら何となくわかっとる……ます」
「うん。Aちゃんは、ええ子よな」
何で自分より年下の男子にいい子なんて言われなくてはいけないのか。何となくバカにされてるような気がしないでもない。けど、今だけ、今なら許す。
だってほら、お祖母ちゃんが嬉しそうだから。
「あらぁ、ありがとねぇ。ふふふ、じゃあお祖母ちゃんの宝物見る？ Aちゃんのちっちゃい頃の写真なんやけど」
「「見る！！」」
「お祖母ちゃん！！」
恐らくアルバムを取りに行ったお祖母ちゃんを止めようとするも、宮侑にがっちり腕を掴まれた。と思ったら宮治にも。あんたは寝てろ。
「見てみて。かわいいでしょう？」
「お祖母ちゃん……」
小さい頃の私なんて、背だけ低くしただけで生意気そうなのには変わりないのに。ほら。どの写真も睨み付けるような顔してる。写真は苦手なのだ。
「ほんまやな、かわええわ」
「……どこに目つけてんの」
「辛辣か。でもかわええと思う」
「そうよね、可愛いわよね」
何だか三人仲良くなってるところ悪いけど、どう見ても可愛くはない。愛想のない子だとよく言われたものだ。カメラを向けても笑顔を見せもしないと。
「あ、これ！ お祖母ちゃんのお気に入りなんよ。お祖母ちゃんが撮ったやつ」
「あ……」
それは中学の水泳大会で、初めて県優勝したときの写真だった。カメラを向けていたのがお祖母ちゃんだったからか、私は珍しく笑っていた。
「……水泳やってたん？」
「やってたよ。やめたけどね」
「なんで？」
「肩壊したの」
別に、後悔の念に苛まれているわけじゃない。でも、続けられていたらどうなってたんだろう、とは今でも思う。
「……そんなん俺運んだりしたらあかんやん」
「日常生活に支障はほとんど出ないよ」
じゃあ体育サボるなって話なんだが。それでまた思い出してしまった。
宮兄弟は上手に話題に出すのを避けているけれど、私は学校にほとんど友達がいないのだ。
「あかんよ！ 無茶したらだめ、体は大切にせんと！」
「お祖母ちゃん、わかってるから……あ。明日の弁当の準備しなきゃね」
「そういえば！ Aちゃんのお弁当誉めてくれたのも二人のどっちかなん？」
変な感じに心臓が跳ねた。
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えま(プロフ) - Roaさん» コメントありがとうございます！！ 北さんの魅力を表現出来ていたなら何よりです！！ 宮兄弟も書いていて楽しかったので、そう言って頂けるとありがたい限りです！！ (2020年6月19日 8時) (
レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
Roa(プロフ) - 読んでる途中心臓が痛かった…っ、でも北さんの真っ直ぐなところがもう心にぐっときていつも間にか目の前歪んで（；＿；）宮兄弟の「やぁぁっとくっついたん！？！？」が個人的にめちゃくちゃ好きでした笑北さんの勘違いしていた触れなば落ちんの意味も素敵で感動 (2020年6月19日 5時) (レス) id: edef434db0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - 宙さん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！！ 切なさ甘酸っぱさを味わって頂けたなら嬉しいです！！ (2020年5月31日 16時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 胸がギュッてなった！なんて素敵な終わり方！！！こんな作品を作っくれてありがとうございます！ (2020年5月31日 14時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃花 - いやいや！！お気になさらず(^^)中学のときは皆まだ幼いので仕方ないと思ってます笑その分も今全力で楽しめてます！これからも頑張ってください！一緒にハイキュー！！も応援し続けましょう〜！ (2018年12月1日 10時) (レス) id: 77a025593a (このIDを非表示/違反報告)
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