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「俺は！！ ……なんもバラさずにそのまま付き合ってけたら、とか考えとった」
「何の為に？」
「けどそんなん騙しとるようなもん……騙し続けてるようなもんやって思って……それで、今日は全部言うつもりやった」
肝心なことには触れられないまま、詳細だけが語られていく。彼の言っていた話というのは、主張をそのままに受け取るならそういうことなんだろう。
「やのにAちゃんは俺のことを好きじゃないとか言う」
「……分からないんだよ。それから名前やめて」
「あんなに楽しそうにしとったのに？ 今更そんなこと言うん？」
「だって、」
細められた目が私を詰るようで、心做しか声も低くなったようで、私の口からは無意識に言い訳がましいことが漏れだしていく。
「嘘が下手だから。本当の事を混ぜていこうと思った。告白された時には宮くんのことほとんど知らなかったから、気になってた理由は嘘。でも要素は話して気付いた事の中で、私がいいなって思ったところだから本当。でもそれだって好きになろうとしたのか、好きになっていったのか、それすら分からない」
自分なら自分のことは分かると思っていたのに。もう分からない。二択すら決められない。実際には好き嫌いの二択ですら無かったから、なおさら決められないのだ。
「……嫌いでは無いんよな？」
「嫌いじゃないよ。恨めたらよかったのに」
「なら…………いいわ」
ため息のような小さな声を落としたかと思うと、宮くんは私の方へ視線を向けた。
「マイナスからプラスはキツいけどな。ゼロからプラスならどうにかなるやろ。てかする」
「何を、」
「真面目な話、Aちゃんは俺を好きやと思う」
「…………」
何を言い出すんだろうかこの人は。そりゃあそれなりの好意があったから告白を受けたんだと、言えなくもないけれど。それをネタにどうにかするつもりなんだろうか。
「そんで、さすがに。さすがに気付いてもええんちゃう？」
「なに、に」
「俺が今までタイミングはいくらでもあったはずやのに“嘘”でしたって言わんかった理由。黙って付き合い続けようとして、それじゃダメやなって本当の事話そうとした理由」
「なんか、仕返し的な、」
「……ガチで言うとるとしたらさすがに凹む」
言葉のとおりに肩を落とした宮くんの、考えていることが分からない。だって、嘘だ。宮くんは嘘が上手なんだから。
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えま(プロフ) - せなけいこさん» そこまで言っていただけてただただ感謝です！！ ありがとうございます！！ (2020年10月3日 15時) (
レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
せなけいこ - 星の数が足りません！めっちゃ好きです！！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - おかか。ですか？さん» ありがとうございます！！ 作品を楽しんで頂けたようで幸いです！！ (2020年9月7日 18時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか？ - 私の語彙力がないせいで言い表せないんですけど、めっちゃ面白かったです！最高でした!! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - せりなさん» 天才だなんて！！ 身に余る言葉です、ありがとうございます！！ (2020年5月13日 5時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
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