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体育の時間がぼんやりと過ぎていった。嫌いなわけじゃないのに、どうしても集中できなかった。友達が体調を心配して私を端っこへ引っ張ってったので、後半は壁にもたれて皆を眺めていた。
思えば怒涛の展開だった。告白されて、その日のうちにそれが嘘だと知って。そこから性格の悪い企みに宮くんを付き合わせて。あの日の朝の気分と今の気分、天と地ほどの差があるだろう。あの日、シャワーを浴びている時が一番に最低の気分だろうと疑ってなかったのに。私は今の方が酷い気分だと思うのだ。
幸せの絶頂、後、ジェットコースター急降下。
私の人生ここの所下り坂ばかりだ。自分で選んだことだけれど。けれどあの日のことが無ければ刺激は少なくてもそれなりに平和に生きてただろうに。過去の私に言ってやりたい。
「あんたにそんな魅力あるの？ シンデレラでもないクセに」
特別な魅力も無ければ、日々の積み重ねも無いくせに。すぐ騙されずに一瞬でも疑えば、宮くんはその場で種明かしをしてくれたに違いない。馬鹿な私。シンデレラ・ストーリーなんて、その辺に転がってるはずないのだ。その逆再生……突然の不幸なら転がっていたけれど。それも自業自得だ。
友達に言い訳をして先に着替えることにした。鏡を見なくても今の自分が酷い顔なのは分かっていた。さっさとあの教室で“いつも通りの顔”を作った方がいい。じゃないと宮くんに不審がられてしまう。なるべく突然に明かさなきゃ。
……それはどうしてだっけか？ ああ、そう予定してたからだ。思い出せ、あの日の夜を。あの通りに動けばいい。それで終わり。この何だかよく分からないものは終わり。おかしな関係は終わり。宮くんがどうして終わらせに来ないのかなんて考えなくていい。私が終わらせるんだから。考えなくていいのだ。考えなくていいのに。
着替えて2年の階に戻って、ぼんやり歩いていると話し声が聞こえてきた。私の教室からだった。
「宮、最近なんか坂城さんと一緒に居ること多いよな」
「まさかあれきっかけで付き合ってたりするん？？」
私が……本当は聞きたかったことを、代弁してくれたかのよう。
私は、私達は、今一体何をしているのだろう。何を続けてるのだろう。この馬鹿らしいことに、名前を付けるとすればそれは。
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えま(プロフ) - せなけいこさん» そこまで言っていただけてただただ感謝です！！ ありがとうございます！！ (2020年10月3日 15時) (
レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
せなけいこ - 星の数が足りません！めっちゃ好きです！！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - おかか。ですか？さん» ありがとうございます！！ 作品を楽しんで頂けたようで幸いです！！ (2020年9月7日 18時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか？ - 私の語彙力がないせいで言い表せないんですけど、めっちゃ面白かったです！最高でした!! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - せりなさん» 天才だなんて！！ 身に余る言葉です、ありがとうございます！！ (2020年5月13日 5時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
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