02 ページ2
一緒に帰れたりするのかな。部活あるのかな。そもそも、付き合った初日はこういうことするものなのかな。そんなふわふわしたことを考えて教室に立ち寄った私の血の気は本当に一瞬で引いていった。
「そうなん？ にしては抵抗なさげやったし」
「やから、んなわけないやん。どんな子か知らへんもん。好きになりようがないやん？」
ああ、聞き間違いじゃない。確かに同じ声が同じことを言った、とどこか冷静な私が判断を下す。彼は私を好きでも何でもなかった、と。
「まあ俺も坂城のことは何も知らへんけどな、大人しそうやなってくらいで。だから選んだんやけど」
「“罰ゲームの嘘告白の相手”、か。坂城さんも災難やなぁ」
「お前らが俺にやらせたんやろ、こんなたち悪い罰ゲーム」
笑いを含んだクラスの男子の声が、少し非難を含んだ宮くんの声が、的確に私の胸を抉ってくる。これを災難の一言で片付けられるのはされたことがないからだろう。私だって、今日の今日まで知らなかった。こんなに屈辱的な気分、味わったことはなかった。
「ま、明日には種明かしするけどな。ほんとは今日中にやるつもりやったんやけど……坂城さん居らんみたいやし。まああの子、大人しそうやし気弱？ 優しそう？ そんな感じやし、許してくれるやろ」
「え〜、そんまんま付き合ってみたらええんちゃう？？」
冗談のように投げられた、事実冗談のその言葉に、彼がなんて答えるかはもうわかっていた。それでも私は耳を澄ませる。
「やから、ないって。あんな地味なの、好きになるわけないやん」
はい、これが最終通告。
彼は私を好きでも何でもなかったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 679人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えま(プロフ) - せなけいこさん» そこまで言っていただけてただただ感謝です！！ ありがとうございます！！ (2020年10月3日 15時) (
レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
せなけいこ - 星の数が足りません！めっちゃ好きです！！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - おかか。ですか？さん» ありがとうございます！！ 作品を楽しんで頂けたようで幸いです！！ (2020年9月7日 18時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか？ - 私の語彙力がないせいで言い表せないんですけど、めっちゃ面白かったです！最高でした!! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - せりなさん» 天才だなんて！！ 身に余る言葉です、ありがとうございます！！ (2020年5月13日 5時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
