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あの日俺が見たのはこの人の素顔で、さっき見たのも間違いなく素顔で。そのはずだった。それで辻褄が合う。それでもこの人はそれを頑なに認めようとはしない。
弱々しく“あり得ない”と呟かれた。何でこんなに否定するんだろうな。俺がこの人の素顔に一目惚れしたのの、何がおかしいんだ。
「私、今からそっちを向く。個性が掛かるだろうけどすぐ解除する。それで、確認させて」
相変わらず小さな、それでも幾分はっきりした声でそう告げられる。ということは、俺は初めて彼女の個性の顔を見ることになるのか。そう呟くと素早く否定された。
「違う。その夕方に見た顔と同じになるの」
「それはあんたの素顔だろ？」
「そんなはずない。今私の個性の顔を見て、それからさっき見たガラス越しの素顔と見比べればいい。……きっと全然違うから」
すくっと彼女はその場に立ち上がった。ガラス越しに見える彼女は相変わらず手で顔を覆ったままだった。振り替える前のその刹那、さっき見たばかりの彼女の素顔がガラスに写った。それから。
「…………同じ、だ」
同じだった。髪の色は変わらない。それから顔立ちもだ。振り替える前に一瞬写った彼女と、今俺が見てる彼女の顔と、それからあの放課後の彼女。何も変わらなかった。相変わらず綺麗で、でも泣いた所為かやや赤い目元が痛々しかった。
「同じだ。全部同じ顔だ」
「そんなわけない……よく見てよ！」
「見てる。泣いた跡がある。擦ったのか？」
「そうじゃなくて……っほら！」
再度彼女はガラスの方へ顔を背けた。
「こうすれば見比べられる。比べ物にも、なってないでしょ……」
「だから、同じなんだ。ガラス越しの顔と、さっき正面から見た顔。同じだ」
振り返った彼女は俺をまじまじと見てきた。でけえ青い目はまだ涙に濡れていた。
「……そういや何で俺は洗脳されてねえんだろうな」
「あり得ない、はずなのに。だってあれは夢物語、で、」
「夢物語が何か知らねえが……確かに夢みたいだ」
「え？」
あの放課後の一瞬、横顔を掠めとるようにしか俺は彼女を見れなかったのに。こんなに長く見れるとは思ってなかった。……泣き顔だったが。頬を伝う涙を俺は無意識に指で拭っていた。
「なあ、泣くより笑ってくれねえか。あの日……俺はあんたの笑ってる顔に一目惚れしたんだ。……あの顔を俺に向けてくれねえかなって思った」
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えま(プロフ) - えるさん» 読んでくださってありがとうございます！！ 轟くんをカッコよく書けていたなら嬉しいです！！ 加賀美ちゃんの父親についてはご想像にお任せしときますね(*´ω｀*) 続編は、何か思い付いたら書くかもしれません！ 何はともあれありがとうございました！ (2018年11月1日 23時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
える - 加賀美ちゃんの青い目って、、もしかしてお母さんと相思相愛になったのは八木さんだったり！？父親はもしかしてっ！？なんて凄い妄想してしまうほど久しぶりにとても楽しいヒロアカ(焦凍くん)小説が読めました！ありがとうございます！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - 轟焦凍君がいつも以上にかっこよく素敵にみえました＾ｖ＾！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - すっごくとっても楽しかったです！ぜひ続編を書いてほしいです＾＾！希望！ (2018年11月1日 19時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - か○ぴすさん» わーいかるちゃんありがとう！！ 書きたいように書けて楽しかったです() 弔くんのも読んでくれてありがとーう！！ (2018年8月24日 19時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
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