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私は人の目を見て話すことができない。私の意思に関わらず個性が掛かるからだ。だから、朝の少しの時間、放課後の少しの時間を相澤先生に貰って、そしてとりとめのないお喋りをしたりしていたのだ。
二年の教室で話していたことも、あった。確かにあった。でもおかしい。
そうなると、轟くんがその時見た私の顔は、相澤先生に個性を消された私の“素顔”だ。
「……本当のこと言ってるの？」
「ああ。放課後の二年の教室だった。話し声が聞こえた気がしたから覗いた。……そういや話し声が聞こえたってことは、相手は見えなかったけどあんたは誰かと話してたんだな」
「う、ん。相澤先生と……話してた」
パズルのピースがはまっていくように、一つの答えが導き出されていく。でも私はその答えを信じることができない。
「先生とってことは……やっぱりあの時俺が見たのはあんたの本当の顔の方じゃねえのか」
轟くんが当たり前のように口に出した答えを、私は信じることができない。手が震えた。それも僅かな期待でだ。この期に及んでどこかで私は夢物語を信じている。
夢は、夢だ。現実になんてなりはしないのに。
「そんなはずない。だって轟くんは一目惚れして……そうだよ。髪の色。オレンジとか、赤だったんでしょ？ ならあの時見たのは個性の顔の私だよ」
ほら、やっぱり夢は夢だ。轟くんの勘違いだ。
その放課後に見た顔を忘れたのかもしれないし、さっきの一瞬じゃ顔はわからなかったのかもしれない。確かに目は合ったのだけど。
「そういや赤とかだったな。でもさっきと顔は同じだった。あの夕方とさっきで顔は……そうか。わかった」
「……何が？」
「夕方だったんだ」
後ろで轟くんが動く気配がした。気配だ。私はといえば未だ顔を覆って踞っているのだから。
次に聞こえた声は、私の後ろ、一メートルも離れていないだろう距離からだった。
「夕方だった。西陽が眩しかった。教室ん中も赤みがかってた。……あんたもだ」
「どういうこと？」
「あんたの髪も、夕陽で赤に染まってたんだ。……あの時のあんたの髪は、本当は多分元からの色だった」
銀色だったんだ。
落ち着いた声がそう告げると同時に、もう私には返す反論が無いことを理解した。
「あり得ない」
「なあ」
「そんなわけない……轟くん」
「何だ？」
「私、今からそっちを向く。個性が掛かるだろうけどすぐ解除する。それで、確認させて」
私の幼稚な夢を壊させて。
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えま(プロフ) - えるさん» 読んでくださってありがとうございます！！ 轟くんをカッコよく書けていたなら嬉しいです！！ 加賀美ちゃんの父親についてはご想像にお任せしときますね(*´ω｀*) 続編は、何か思い付いたら書くかもしれません！ 何はともあれありがとうございました！ (2018年11月1日 23時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
える - 加賀美ちゃんの青い目って、、もしかしてお母さんと相思相愛になったのは八木さんだったり！？父親はもしかしてっ！？なんて凄い妄想してしまうほど久しぶりにとても楽しいヒロアカ(焦凍くん)小説が読めました！ありがとうございます！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - 轟焦凍君がいつも以上にかっこよく素敵にみえました＾ｖ＾！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - すっごくとっても楽しかったです！ぜひ続編を書いてほしいです＾＾！希望！ (2018年11月1日 19時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - か○ぴすさん» わーいかるちゃんありがとう！！ 書きたいように書けて楽しかったです() 弔くんのも読んでくれてありがとーう！！ (2018年8月24日 19時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
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