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逃げるように出てったその人を俺は黙って見ていた。追いかけようと思った。追いかけて、声を掛けようと。でも何て声を掛けたらいいんだって聞かれたらまるでわからなかった。わからないから俺の足は縛り付けられたようにここを離れなかった。
緑茶を啜った。すっかり冷めていた。あの人のアイスティーは全く減ってない。当たり前か。面取らなきゃ飲めねえもんな。そういやあの人はいつもどこで飯食ってんだろう。
店を出た。会計をしようとして、そう言えば彼女にまとめて払われていた事を思い出した。悪いことしたと思った。会計のことだけでなくだ。
俺が絡まれなければ彼女が個性を使うことは無かったし、あんな話させることもなかった。終始話すのが嫌そうで億劫そうだった。それでも俺に話してくれたというのが嬉しくて、そんな自分本意な事を考えてるのに気付いて自己嫌悪で吐き気がした。
すげえ色んな色んな事を教えて貰った。話してくれた。頭ん中に落とし込むのが大変なくらい、沢山の事を。その所為か、俺は話してくれる前のほんの導入部分が変に頭に残っていた。
『轟くん。私ね、一人暮らしなの』
大変だろうな。それに、寂しいんじゃねえかな。俺もあの家に姉さんが居なかったらきっとそうなっていた。
寮生活になって、部屋では一人だけど他はクラスの奴らと一緒に居ることが多くなった。体育祭までは周りなんて気にしてこなかったが、今ならわかる。
あんな風に人を避けて避けて、それもそれが自分の本意じゃねえなら。
あの人がいつもどこか頼りなさそうで、すぐにどっか行ってしまいそうに見える理由がわかる気がした。
寮の入り口まで行くと切島と爆豪、それから上鳴と瀬呂が立っていた。
「おー轟！！ どっか遊びにでも行ってたのか？」
「いや、見舞いだ」
「なるほどな〜」
「んなもんどうでも良いだろうが……ボケッと突っ立ってねえでさっさと入るぞクソが！！」
「へいへい入りますよっと。轟も早く来いよ、あちいだろそこ」
手招きするような瀬呂たちの方へ俺は寄って行った。なるほど、今日は暑かったんだな。暑さなんてすっかり忘れてた。
「……寮生活って良いもんだな」
「いや今さらだな！！ でも意外だ、轟もそんなこと思うんだな〜」
誰かと一緒に居れる空間や時間は大事だ。高校に入ってから体当たりで級友に気付かされたことで、そこから知っていけたことだ。
あの人は、今もどこかに一人で居るんだろうか。
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えま(プロフ) - えるさん» 読んでくださってありがとうございます！！ 轟くんをカッコよく書けていたなら嬉しいです！！ 加賀美ちゃんの父親についてはご想像にお任せしときますね(*´ω｀*) 続編は、何か思い付いたら書くかもしれません！ 何はともあれありがとうございました！ (2018年11月1日 23時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
える - 加賀美ちゃんの青い目って、、もしかしてお母さんと相思相愛になったのは八木さんだったり！？父親はもしかしてっ！？なんて凄い妄想してしまうほど久しぶりにとても楽しいヒロアカ(焦凍くん)小説が読めました！ありがとうございます！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - 轟焦凍君がいつも以上にかっこよく素敵にみえました＾ｖ＾！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - すっごくとっても楽しかったです！ぜひ続編を書いてほしいです＾＾！希望！ (2018年11月1日 19時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - か○ぴすさん» わーいかるちゃんありがとう！！ 書きたいように書けて楽しかったです() 弔くんのも読んでくれてありがとーう！！ (2018年8月24日 19時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
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