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私の台詞に、轟くんはそこまで表情を変化させなかった。どこかから既に聞いていたのか、それとも大して驚いていないのか。轟くんはあまり分かりやすい方ではないし、そもそも私は人の機微を察するのが得意な訳じゃない。
「相手の一番美しいと思う顔を見せることができる。それから……そのあと目が合った相手に洗脳みたいなことができるの」
ほんの少し目を見開かれたけど、それだけ。やはり誰かから聞いたのだろうか。
「心操みたいにか？」
「似たようなもの……そっか。心操くんから聞いたの？」
「……俺が知らねえってこと知らないでうっかり口に出したみてえだった」
「そっか……」
心操くんは、似たような個性を持っているから、と相澤先生が連れてきてくれた私の数少ない話し相手だ。人の事を言いふらすようなことはしないだろうから、轟くんの言う通りなのだろう。
「まあ、心操くんと似たようなものだけど。実際は彼のよりはずっと弱いの」
例えば私があの人たちに、自身を傷付けるような命令をしたなら。あの人たちは洗脳されない。自己を傷付けるという行為は本来絶対に拒否するようなもので、私の個性はそんなことまでさせる力は持っていない。
その人たち自身の本当にやりたくないことを、させることはできない。それに、“洗脳される”と身構えている相手にはほとんど効かない。
不意打ちで、簡単な、そこまで抵抗の無いことを。その程度の力だ。
「それは確かにあいつのよりは弱いな」
「うん。心操くんの下位互換ってところかな。でもね……物は使いよう、って言うじゃない？」
「？」
どんな個性も、何かしらの活かし方はある。
そして……それは善の方向にだけとは限らない。
「轟くん。私ね、一人暮らしなの」
「そうなのか」
「父親は生まれたときから居なかったんだ。顔見たこともないや。それからお母さんはね」
私のお母さん。私を産んだ、私と同じ個性の、ひたすらに美しかったお母さん。
「今刑務所に居るの。私のお母さん、ヴィランだったから」
くっと轟くんの目が大きく見開かれた。ああ、これは知らなかったんだろう。私も言わずに済むなら言いたくなかったことだ。
親がヴィランだなんて、それだけで恐ろしいだとか関わりたくないだとか思われても仕方ない。なのに。
その上、その親を警察に突き出したのは娘の私だと言ったら轟くんはどんな顔をするのだろう。
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えま(プロフ) - えるさん» 読んでくださってありがとうございます！！ 轟くんをカッコよく書けていたなら嬉しいです！！ 加賀美ちゃんの父親についてはご想像にお任せしときますね(*´ω｀*) 続編は、何か思い付いたら書くかもしれません！ 何はともあれありがとうございました！ (2018年11月1日 23時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
える - 加賀美ちゃんの青い目って、、もしかしてお母さんと相思相愛になったのは八木さんだったり！？父親はもしかしてっ！？なんて凄い妄想してしまうほど久しぶりにとても楽しいヒロアカ(焦凍くん)小説が読めました！ありがとうございます！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - 轟焦凍君がいつも以上にかっこよく素敵にみえました＾ｖ＾！ (2018年11月1日 20時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
える - すっごくとっても楽しかったです！ぜひ続編を書いてほしいです＾＾！希望！ (2018年11月1日 19時) (レス) id: 1eed16b69d (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - か○ぴすさん» わーいかるちゃんありがとう！！ 書きたいように書けて楽しかったです() 弔くんのも読んでくれてありがとーう！！ (2018年8月24日 19時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
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