【ハイキュー！！】女を捨てた少女[黒尾鉄朗]

GIRL020 ページ22

＜黒尾side>




「＜女を捨てた少女＞って言われてる時点で、女じゃねぇだろ」



悪気があって言ったわけじゃないが、Aにとって辛い事を言っちまったんだな



お前には、ひでぇこと言っちまったんだな



お前が１人で抱えてるもの、俺は何一つ知らねぇもんな



＜女を捨てた少女＞だって、本当は言われたくないのかもしれねぇな



なんで俺は、Aにあんな事言っちまったんだろう



Aにとって信頼できる人になるって決めたはずなのに、まだまだだ





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＜Aside>



目を覚ますと、そこは保健室のベッドで



時計に目を向ければ、短針は７と８の間を指していた



お腹のあたりに重みを感じたから見てみると、パイプ椅子に座った黒尾がすーすーと寝息を立てて寝ていた



私が発作を起こして、保健室へと運んでくれたのはきっと黒尾



それから今まで、ずっとそばに居てくれたのかな



「＜女を捨てた少女＞って言われてる時点で、女じゃねぇだろ」



いっつもみんなから言われ続けて、もうこの言葉なんて言われ慣れてる筈なのに



勝手に傷ついて、勝手に逃げ出して、勝手に発作起こして意識失って



全部全部全部、全部私のせいだ



お母さんとお父さんに捨てられてから彩芽の面倒を見るようになって



学校では推薦を取るために勉強に没頭し、内申を上げるために必死に人の手伝いして



家に帰ったら、彩芽が少しでも楽な生活を送れるように工夫して、おばあちゃんも無理させないようにして



外では、自分の家計のためにバイトバイトバイトの毎日



そんな生活を送り続けていれば、人間精神的にも体力的にも限界が来るもので



いつしか私は、定期的に発作を起こすようになっていた

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