【黒尾鉄朗】ひねくれ意気地なし(2) ページ24
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「おい黒尾。そのパン寄こせ」
「早いもん勝ちって言葉知ってっか?」
「知ってる。だからよこせ」
「先に買った俺の勝ちー」
「チッ」
こうなったら隙をついて奪い取ってやろう、と安易な作戦を立てた。
んでもって実行。
黒尾は「あっぶねぇ」とか言ってるけど、ひょいと上に持ち上げて普通に回避。
私も身長高いと思ってたけど、やっぱりこいつには敵わない。
にや、と勝ち誇ったような笑いが死ぬほど気にくわない。
その顔を見るたび、何の脈絡もないとはいえ、「すっげぇ詐欺師みてぇだ」と思う。
それはさておき。
「じゃんけんで3回かったら私にくれ」
「ちなみに、何回戦?」
「私が3回勝つまで。」
「お前アホだろ」
「なんだその憐みの目は」
「お前らまたやってんのかよ」
不意に右から飛んで来た声。
それを左に流さずに受け止める。
「おっす夜久。手を貸してくれ……と言いてぇけど、お前も小っちゃかったな」
「あぁそうだよ。お前より小っちゃいよ。文句あるか!」
夜久をおこらしちゃった。てへぺろ。
いやほんと。夜久はどっかの寝ぐせ野郎と違ってからかいがいがあるっていうか。
うん。とりあえずオカンだわ。
「夜久は可愛いからそのままでいいぞー」
「Aちゃん、目の前にいる俺は無視?」
「え?目の前に黒尾?何言ってんの見えないけど。空気みてぇだわー」
「へぇ」
適当にあしらったら、あっさりと黒尾さんに壁まで追いやられました。
これね、最近有名の壁ドンってやつだわ。
「俺しか見えねぇようにしてやろうか?」
「お前しか見えねぇよ。」
直後、誰かの足音が聞こえた。
多分夜久が逃走したんだと思う。
まぁ、こんな空気居た堪れないし。無理もない。
「……お前が変な事言うから夜久が誤解したぞ。」
「いやだって物理的にお前しか見えねぇよ。」
目の前黒尾しか見えない。
でもそれが壁ドンってやつでしょ。
「ってか、普通こういうときって叫ばね?」
「きゃーたすけてー。黒尾がセクハラしてくるー」
「棒読みって……。お前、ほんっと、可愛げねーな。」
「可愛げのねー私に1年のころ告ったのおまえな。ほんっと、趣味を疑うわ」
「ほっとけ」
黒尾はそう言って壁から手を離した。
この話題に弱いのは相変わらずらしい。
「もっかい告ってもいいんだぜー?」
「ふざけんな。」
そしたら。
今度は「いいよ」って、言ってやろうかなぁとか思わなくもない。
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最近の夢主が女らしくなくて困る……
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ミミ - やくさんのがすごく気に入りました!!あの話の夢主verってありませんかね?なんか気になりますwすみません_(。_。)_ (2015年5月26日 22時) (レス) id: 262483848d (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - めっちゃきゅんきゅんしました。面白かったてす!特に、最後の赤葦さんでもうK.Oされました← これからも頑張ってください! (2015年1月8日 15時) (レス) id: e0f3f2013d (このIDを非表示/違反報告)
もち - はじめまして!!凄くおもしろかったです!私の萌えるツボをピンポイントでついて来ました!更新、頑張って下さい! (2014年11月17日 16時) (レス) id: fc7d8f1714 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - どきどきします!がんばってください!!(*´-`) (2014年11月16日 20時) (携帯から) (レス) id: a75596c119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウ | 作成日時:2014年11月16日 17時