【赤葦京治】ちいさなかけら（１） ページ20
〔あなたside〕
華の女子高生。
中学生の時、その言葉を乱用したいなぁってどこかで思ってた。
だって女子高校生だもの。
人生で３年間の限定された華の期間だもの。
要は、中学３年生の受験期間に、どこかの高校に受かったら私もそれかぁってなんとなく考えていた。
私が受かった高校は、家の近くでも遠くでもない場所で。
電車で２０分のとこ。
なんだかんだで私は華の女子高生になれたわけだ。
満員電車でもみくちゃにされても、私は華の女子高生だ。
「……、」
その女子高生になって分かったこと。
どこも華じゃない。
宿題多いし、耳が痛くなるほど進路進路聞いてるし。
クラスの後ろの席でリア充が毎時間の休み時間いちゃついてるし。
華の女子高生になったらいつか私もそんな日が来るのかなー、とか適当に考えてたけど、それを見てたら一生リア充になりたくないって思えた。
彼氏の膝の上に座って、１つのケータイの画面を見て。
今流行りのゲームやって、「やったー」とか「こいつ弱いな」とか語り合って。
周囲の目を気にせず１つのことにおぼれるぐらいなら、私はリア充にならなくていいや。
高校１年で、私は冷めた。
……となんども教室で思うのに、教室を出て電車に乗って。
周りのスーツを着ている社会人を見ると、今のうちに青春を謳歌してやりたいとふと思う。
「……ハァ、」
毎日毎日、同じ電車に乗って、家に帰る。
耳にイヤホンをさして、俯きながら、駅前の駐輪所に停めた自転車の元に向かう。
自転車の籠にカバンを乗せて、イヤホンを外すと駐輪所にもう１人いたことに気付いた。
私が止めてる場所より奥に停めているので、私が出るのを待っているらしい。
スイマセン、と内心で謝りつつその人の顔をちらっと窺った。
毛先がぴょんとはねた髪。
ちょっとダル気な表情。
疲れた、と物語っているその目が一瞬私を見ていた気がした。
私は自転車のハンドルを押しながら駐輪所を出た。
少し歩いて、自転車にまたがり、冷たい風を受けながらペダルをこぐ。
―――――――……赤葦、京治。
その名前を思い出しながら。
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ミミ - やくさんのがすごく気に入りました！！あの話の夢主verってありませんかね？なんか気になりますwすみません_(。_。)_ (2015年5月26日 22時) (
レス) id: 262483848d (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - めっちゃきゅんきゅんしました。面白かったてす！特に、最後の赤葦さんでもうK.Oされました← これからも頑張ってください！ (2015年1月8日 15時) (レス) id: e0f3f2013d (このIDを非表示/違反報告)
もち - はじめまして！！凄くおもしろかったです！私の萌えるツボをピンポイントでついて来ました！更新、頑張って下さい！ (2014年11月17日 16時) (レス) id: fc7d8f1714 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - どきどきします！がんばってください!!(*´-`) (2014年11月16日 20時) (携帯から) (レス) id: a75596c119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ
| 作成日時：2014年11月16日 17時
