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【東峰 旭】君だから。(2) ページ14

私が奴の苗字を知って。
それから、私は奴の性格を知った。

一言で言えば気弱ってやつなんだろうけど。

例の喧嘩の件から、東峰に対する周りの味方はちょーっとだけ変わった。

気弱そうな東峰が止めるだなんて思ってた人はいなかったんだろう。
喧嘩していた主犯たちは、正直なところ驚いたらしい。

ムキになったのも、あってたからだって。そう話していたのが聞こえた。

「なんかヤバそうな雰囲気だったから、でしゃばってゴメン……」とか、東峰は言ってたっけ。

その時私は思った。
こいつは気弱なだけじゃなくて、『自分』がない。

なんでそんな酷い印象ばかりだったのか。
今思えば、その時の私は『東峰旭』の性格が嫌いだったのかもしれない。



それから、奴はバレーを始めたらしい。
部活は人としても成長させるから、東峰の性格も変わっていた。

私は小学校と高校は東峰と同じだけれど、中学は違う。

別人のようにデカくなった東峰に、私は高校で初めて見かけたとき思わずガン見してしまった。


「えっと……、俺の顔に何かついてる?」


声も低くなってたし、大人びた顔つきになってたけど。
なんか、その言葉を聞いて「あー、東峰だ」って納得できた。







「あ、東峰」

これから部活に行くのであろう東峰を見かけ、引き留めてしまった。
声をかけるつもりなんてなかったんだけど。この英語の問題集がすべての原因に違いない。

「これ、澤村が『助かった。ありがとう』だって」
「あ……、忘れてた」
「ぼけ」
「ぼけ言うなよ、」

私は東峰に問題集を押し付けた。

「で。大地はどこに?」
「担任に捕まってる。」
「どうせ部活で会うんだからAに頼むこと無かったのに……」
「あぁ、私が届けようかって言ったの。」

散々澤村に断られたことを伝えると、「大地らしいや」とのこと。
そうだ。2人ともバレー部じゃん。私意味ないじゃん。

「その世話焼きのとこ、性格変わってないなぁ……。」
「小学生の頃の事思い出してんなら、殴って記憶飛ばすよ」
「それ以外の性格は変わったなぁ……」

東峰の顔色がこころなしか悪くなった。

「東峰は、なんつーの?こう、男らしくなったね」
「そんなこと言ってくれるのAぐらいだって」
「そなの?」
「大地に散々へなちょこだー、ヘタレだーなんだ言われてるからね……」

そこでへこむからヘタレだーって言われるんだと思うんだけどなぁ……。

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ミミ - やくさんのがすごく気に入りました!!あの話の夢主verってありませんかね?なんか気になりますwすみません_(。_。)_ (2015年5月26日 22時) (レス) id: 262483848d (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - めっちゃきゅんきゅんしました。面白かったてす!特に、最後の赤葦さんでもうK.Oされました← これからも頑張ってください! (2015年1月8日 15時) (レス) id: e0f3f2013d (このIDを非表示/違反報告)
もち - はじめまして!!凄くおもしろかったです!私の萌えるツボをピンポイントでついて来ました!更新、頑張って下さい! (2014年11月17日 16時) (レス) id: fc7d8f1714 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - どきどきします!がんばってください!!(*´-`) (2014年11月16日 20時) (携帯から) (レス) id: a75596c119 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2014年11月16日 17時

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