9．厄介な。 ページ9
…………超、不機嫌だ。
病院での検査も終わり、もう動いても大丈夫だと言われたのに。
やっとバレーができるのに。
「あー！イライラする！」
ズンズンと体育館までの道を歩いた。
……今日は、Aがいないのか。
別に、いいし。
Aいなくてもバレーできるし。
「飛雄ちゃんだっているしね！」
バッと体育館に現れると、いつも通りの悲鳴を浴びた。
烏野もいる。
……ああ、飛雄だ。
「……やっほー飛雄ちゃん、育ったね〜」
手を振れば、キツイ視線、だけどどこか警戒した目で見られる。
あーあ、やだなその目。
監督からアップを念入りにするように言われ、俺は一度下がる。
体育館の外で軽くアップを済ませた。
「…………」
飛雄にむかついても、それを和らげてくれるものがないな。
いつもは、上を見ればAがいたけど。
今頃二人で遊んでるのかな。
大体、Aはアイツのどこがいいわけ。
よりによって初カレがどうしてアイツなの。
俺よりも、全然不細工じゃん。
ああ、そっか、毎日俺の顔を近くで見てるから、そういう判断が鈍くなってるのかな。
「どっちにしても、なんかムカツクけど！」
ムッと頬を膨らまして、俺は再び体育館へと戻った。
得点板を見れば、ピンチ状態だ。
ピンチサーバーとして、コートに立った。
何度も、何度も、打ってきた。
数えきれないくらいに、叩きつけた。
この、サーブ。
「レシーブ苦手なんだね、一年生かな」
チビちゃんと眼鏡のノッポ君。
君らに容易く取れるようなサーブじゃないんだよ。
それに俺は今……
「……ちょっと、イライラしてるから」
サービスエースを何本も決めた。
だけど少し優しくしすぎたのか、眼鏡君は俺のサーブを何とか上げた。
「しっかり決めなよ、お前ら」
そのまま、俺らが決めるだろうと思った。
烏野へ返ったボールは、飛雄へと渡って。
「…………っ」
あのチビちゃんは、空間を、裂いた。
目に追えない速さで斜めに飛ぶと、飛雄のトスを当然のように打った。
――ダンッと、風が吹いた。
25の数字は、烏野へ表示された。
――――ああ、なんか……
「厄介なの、来たなあ……」
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あお - この作品ほんと大好きです！ (2022年9月22日 22時) (
レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです（） (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
ｲｴｰｰｰｲ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした！ (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空
| 作成日時：2014年9月27日 12時
