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番外編.及川徹生誕祭 3 ページ44

「……え?」




え?

今なんて言った?




"いいよ"







「……ハァ!?」



俺が驚いている間に、どんどんAは俺との距離をつめてくる。




Aは立ち上がって見下ろしているせいか、謎の威圧感。




「ち、ちょっと待ってA、あの」




「…………」




「え、無視!?無視なの!?待って待ってAさん!?」



ズルズルと座ったまま移動すると、背中に何かが当たる。




…………壁。




トン、と俺の顔の横にはAの手。




待って、壁ドン…?


バクバクと心臓がうるさい。


やばいやばい、予想外の展開だ。



ていうか、俺から誘ったはずなのに何故か逆転している気がするのは気のせいなのだろうか。









「私が、欲しいんでしょ」








「へ!?ちょ、待っ――――」








――――ちゅ







頬に温かい感触。


ギュッと閉じていた目を開くと、俺の足の間に体育座りで座るAがいた。



顔は見えない。




「…え?A?」





ほっぺへのキスは嬉しいけど、なんだか拍子抜けしてしまった。





「徹は初めてじゃないけど」





Aがゆっくりと振り向いた。







「…私はまだ怖いから、待ってほしい」





「!!」





再び顔を背けるけれど、耳元が赤いのがわかる。



こんなA、なかなか見れないよね。







「あーもう、可愛い!」


「う、わ!」



ガバッと後ろから抱きついてみる。


抱きしめると、俺よりも遥かに小さい体。




いい匂いがする。



首元に顔を埋めれば、くすぐったそうにするA。





「徹、くすぐったい、ワックス髪かゆい、ふはは」



「んんん〜もう、ムードないこと言わないで〜」







"私はまだ怖いから、待ってほしい"




焦りすぎてたのかな。


誕生日だからって浮かれてたのかも。









「A〜」



「なに?」








「…大好き」





大好き。


愛しい。


大事にしたい。




そんな言葉しか出てこない。





誕生日って不思議。




いつもよりも素直になれる。







「知ってるよ」



「うん、知ってて」






来年も、一緒にいられるといいな。





俺は、また抱きしめる力を強くした。




7月20日 番外編.及川徹生誕祭

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あお - この作品ほんと大好きです! (2022年9月22日 22時) (レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです() (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
イエーーーイ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした! (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年9月27日 12時

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