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26.もう少し。 ページ26

ついに土曜日。


勉強をするのに何故かウズウズとしている。



部活は午前中までなので、岩ちゃんとは学校から直接俺の家に向かう。


Aは途中で合流するとかなんとか言っていたけれど……



「どこで合流すんだろ」



後輩たちが片付けをしている最中。


俺たち三年生組は集まって話をしていたけど、この場には不釣り合いな声に動きを止めた。




「……とーるー、いーわいーずみー」




「…え、A?」


「なんでここに」





おじゃましまーす、と言いながら、靴を脱いで体育館へと入ってきたA。




――私服、久しぶりに見た。



白地のパーカーに下はスウェットというラフな格好だけど、女の子なだけあって。





「…………かわい……」






ボソッと出てしまった言葉はきっと、誰にも聞こえていないはず。






「暇になっちゃったから学校まで来ちゃった。部活もまだ終わってなかったね」



靴下でペタペタと歩き、マッキーや松つんにちょっかいを出しに行った。




「……クソ川、顔変だぞ」


「ヒドイ!」




ペタ、と顔を触ると、確かにふにゃふにゃに緩んでいた。



だけど、どこか引き締まっているような。




たしかに、変な顔。




「うわ!花巻、今本気だった!」


「気のせいですうー」


「A、レシーブして」


「無理!無理!松川クソ!」




ぎゃあぎゃあ言い合っている三人を苦笑いで見ている部員たち。




ああいう場面は、特に珍しくもないんだよなあ。




Aは部員なわけでもないのに。



だけどバレー部の皆も、何も言わなくて。



不思議なくらい、ここにAがいることが普通なんだ。






それくらい、この子は。







「…………"特別"……」






そうだよ。




Aは、特別なんだよ。






だけどね、どうしてかスッキリとはしないんだ。





あともう少しで、このモヤモヤが消えそうなんだ。







この気持ちに、はっきりと気づけそうなんだ。








あと、もう少し。

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あお - この作品ほんと大好きです! (2022年9月22日 22時) (レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです() (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
イエーーーイ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした! (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年9月27日 12時

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