3.わかってくれる。 ページ3
ホームルームが終わると、岩ちゃんが俺たちの元へ歩いてくる。
なんだかんだで岩ちゃんって、俺のことが好きだと思うんだ。
「おはよう、岩泉」
「おう」
Aは岩ちゃんとも仲が良い。
俺や岩ちゃんだけじゃない。
何度も試合を見に来てるからか、バレー部のメンバーとは全員顔見知りだろう。
「今日の朝練もこのクソ川のせいで集中できないったらなんの」
「あー、女の子が俺しか見てないことへのひがみだね岩ちゃいだだだだだっ!」
こめかみを拳でグリグリと押された。
そんな俺たちの様子も、Aは日常茶飯事のように眺めている。
「Aもよくこんなクソと毎日付き合ってられるな」
岩ちゃんがため息を吐きながらAを見た。
「それを言うなら岩泉のほうが長いでしょ。それに私、徹のこんな性格にも慣れたし」
「こんな性格ってどゆことなの」
机に突っぷせば、岩ちゃんとAが交互に俺の頭のツボを押してくる。
プスッと効果音が鳴りそうなくらい、豪快だ。
俺は頭を上げると、二人をキッと睨んだ。
「いいもんね、俺には女の子がたーっくさんいるもんね」
「この前彼女にフラレなかった?」
Aの爆弾発言に、岩ちゃんも吹き出す。
「そ、それは別の話!見てなよ、今に何十人と彼女作ってやるからね!」
俺がビシッとAを指さすと、彼女はフッと笑って。
「……特定の彼女作ったら、徹は浮気なんてできないでしょ、そんなに強くないもんね」
「クソ川にそんな器用なことできねえよ」
「……っ…」
おかしそうに笑う二人を、怒る気にもなれない。
逆に、周りから好き勝手言われている俺の本当の姿をわかってくれていることが、たまらなく嬉しくて。
「……もう二人共嫌い」
赤くなった顔を隠すように再び机に突っ伏す。
「あーそうかよ」と棒読みのまま俺の頭のツボを押す岩ちゃん。
「はいはい、わかってますよ」と俺がセットした髪を崩してくるA。
この二人には、嘘はつけない。
俺よりも、俺のことをわかってくれてるから。
そんな存在が、嬉しくて仕方ない。
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あお - この作品ほんと大好きです! (2022年9月22日 22時) (レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです() (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
イエーーーイ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした! (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年9月27日 12時