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20.デレ。 ページ20

「二人が私のために怒ってくれたこと、すごい嬉しかった」


「A……」


「でも暴力はいけません」


ピシャリと言ったAに、俺と岩ちゃんは再び「はい」と返事をした。



きっとAなりに、俺たちを心配してくれたんだ。


逆になっちゃったな。


俺たちが、心配する側だったはずなのに。




「橋本君のことは、もうこれまで」



私にはもう関係ありません、と言うAに、何故かうれしくなる俺。



岩ちゃんと顔を見合わせれば、岩ちゃんも若干嬉しそうだ。





「さて、お説教はこれまでにしなくちゃ。あんたたち部活行かなきゃだもんね」


「あっそうだった」


「花巻たちに任せっきりだったな」




三人で立ち上がると、Aを先頭に入り口に向かう。


けど、ドアノブを掴む直前で立ち止まったA。



A?と声をかけると、Aはクルリと振り返って。





――ボフッ



「えっ?」


「ん?」




俺と岩ちゃん、二人まとめるように抱きついてきたA。




いつもの彼女からは考えられない行動に、俺たちは驚きを隠せない。




「ど、どうしたのさA?」


「具合でも悪いか?」




…………顔をうずめたまま、Aは小さくつぶやいた。








「…………私も、二人のこと、すごく大事だから」







「…………」

「…………」






それじゃ、というAの声と、バタン、と閉じる扉の音。




シーンと部屋が静まり返り、ギギギ……と固まった首を右に動かした。




「…………岩ちゃん」


「…………なんだ」



「今のが、デレというやつですか」



「そうかもしれねえです」








Aに抱き締められたところが、温かい。





なんだろう、これ。


ポカポカする気持ち。





Aが橋本とのことを終わりにした時にも、少しだけ隅っこにあった。







俺には、ちょっと難しそうだ。

21.モヤモヤ。→←19.いけません。



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あお - この作品ほんと大好きです! (2022年9月22日 22時) (レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです() (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
イエーーーイ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした! (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年9月27日 12時

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