【ハイキュー!!】特別だってことは、確かなんだけど。【及川徹】

13．気に食わない。 ページ13

――――昼休み。



「A、橋本君とはどう？」


「どうって……別に何もないけど」



昼休み。

お昼を食べ終わった俺たちは、余った時間をおしゃべりタイムに費やすことにした。



岩ちゃんもAの隣の席を借りて、ポテチを頬張っている。




「アイツ、どんな奴なんだ？」



バリバリとポテチを噛みながら、岩ちゃんは聞いた。



「どんな……普通に優しい人じゃない？ポテチちょうだい」


「……優しいのか？アイツ。おう」



今朝の「うざ」を一緒に聞いていた岩ちゃんは、当たり前だけどAの言葉に怪訝そうな顔をする。



たしかに、見た目は上位に入るだろう。


だけどあの顔は気に食わない。



「お前が言うか」


「あれ、声に出てた？」




なんか、絶対裏ありそうっていうか、黒そうっていうか。



……単に、Aの前でいい顔してるだけな気がして、ならない。



どうしてだろう。




「……お前が気に食わねえだけじゃね」


「なんでさ！」






Aはというと、机の上に何故かポテチを立てて遊んでいる。



こら、食べ物で遊ばない。





……本人は、別に気にとめてはないんだな。




Aには優しいとか、そういうものだろう。






…………なんか、気に食わない。




「何ふてくされてんの」


俺の膨らんだ頬をプスッと指さして、俺の口からはプーッと音が鳴る。




それを見て、面白いのかコロコロと笑うA。




Aって、特別容姿が可愛いわけでもないんだけど。




なんだろう、妹みたいな感じなのかな。


年下みたいな。




そんな可愛さがある。





「…………」





だから余計、橋本にとられたことが気に食わない。



アイツには、周りにたくさん女の子がいるのに。





どうしてAなんだ。






「よし岩ちゃん、俺今日は部活休ん――――」



「殺すぞ」



「やめてごめん本当ごめん」

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