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12.何故か。 ページ12

――――Aが、アイツと両思いではないことと、前と変わらないと言ってくれたことを聞いた俺は。




「……おはよー、A、今日もいい天気だね」



「……あ、徹、おはよう」


「…………」


「橋本君もおはよう〜」


「……ああ」






…………何故か、二人の仲に割って入ることにした。



これを続けて早三日。


橋本はあからさまに嫌な顔をしているけれど、対するAはというと。




「……眠いな」



この子はあまり気にしない子だから、大丈夫。



特にこういうことにはね、疎いし鈍感。




だからとことん二人の邪魔ができるんだよ、さあ橋本君、君は自分の教室に戻ってもいいんだよ。



営業スマイルでジリジリと念を送るけれど、周りにいる女の子たちが寄ってくるだけだ。





ああもう、俺はあの二人を離したいのに。





「…………」




あれ。




でも、どうして離したいんだろう。




自分に自分できょとんとすると。



「いだっ」


「クソ川、早く行くぞ」



俺の頭をグーで殴ったとみられる岩ちゃん。



はーい、と返事をしてから女の子たちに「またね」と伝え、岩ちゃんの後に続いた。







俺たち二人の前には、あの二人。





少し遠くで二人は何かを話すと、そのまま別れる。




Aが教室に入ったのを見届けると、クルッと振り返った橋本。




後ろの俺たちに気づき、ピタッと一瞬動きを止めるけれど。






ため息を吐きながら、俺の横を通り過ぎた。









「――――うざ」








ボソッと言葉を落として。






俺の隣では、「は?」と眉をひそめる岩ちゃん。




あーあ、これだから単細胞の岩ちゃんはダメなんだよ、すーぐ怒るんだから。





俺みたいにさ。




優しく流せばいいんだよ。






そう…………





「……っ…やさ、…優しく……優しくゥゥゥ…!」



「優しくねえんだよその顔!鬼だろーが!」





普段鬼の岩ちゃんから、言われてしまった。




サッと目の前で手を動かして、いつも通りの及川さんの顔。






「よーし、岩ちゃん…………?」




「…………?」




「――――アイツの化けの皮、剥いでやろうか」




「…………」




「…………」




「……言っとくけど、その顔別にキマってねえぞ?」




「言っとかなくていいよ!」

13.気に食わない。→←11.待っていた。



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あお - この作品ほんと大好きです! (2022年9月22日 22時) (レス) @page41 id: 452b671271 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 泣きましたありがとうございます好きです() (2021年5月4日 16時) (レス) id: e7d206068b (このIDを非表示/違反報告)
イエーーーイ - めちゃ好きぃぃぃぃい大好きぃぃぃぃいあ゛あ゛っっっ (2021年3月31日 11時) (レス) id: 8c04e9d971 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はああぁぁぁぁぁぁぁぁ尊い尊い尊い尊い死ぬ (2020年10月25日 18時) (レス) id: 200e605a50 (このIDを非表示/違反報告)
はー - 心臓爆発するぐらいキュンキュンした! (2019年9月20日 19時) (レス) id: 413b05e864 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年9月27日 12時

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