【ハイキュー!!】特別だってことは、確かなんだけど。【及川徹】

2．わからないけれど。 ページ2

彼女の名前は中野A。


中学校の頃から一緒。



中二の時に一度だけクラスが別れて、それ以外はずっと同じクラスだ。




それからこの間の席替えで前後になったという、偶然にも程がある関係。




「ねーAー今日も俺女の子に囲まれて大変だったー」


「お疲れ様」


「…………」




……と、まあこんな感じで、Aははっきり言って静かなほう。


俺のファンの子たちみたいにキャッキャと騒いだりはしない、どちらかといえば落ち着いてるほうだ。



だからといって友達がいないわけでもない。


多分、Aは友達は多い方だと思うし、性格も良い。




俺が、女の子の中では一番仲が良いのもAだ。




けど、他の女の子とはなんか違って。




Aは特別可愛いってわけでもない。


本当に普通の子だと思うし、この学校を探せばAより可愛い子なんてたくさんいる。



成績だって俺のほうが少しできるし、これまた平凡なほうだろう。




だけど、どうしてか。




「ねえA、なんか最近ちょっとだけトスが上手く上がらないんだけど」


「なんか、考え事？」




俺はAに、どうしようもないくらいに心を許している。



岩ちゃんにしか話せなかったこともAには話せる。


岩ちゃんみたいに対応が冷たいこともしばしばあるけど、最後までしっかり聞いてくれる。




恋愛感情とは、少し違うのかな。


好きか嫌いかと聞かれれば、迷わず好きって答えられるけれど。



だけどその好きは、そういう意味かと問われればすぐには頷けない。





きっと俺とAは、それがちょうどいい関係。




中学の頃からずっとそうだ。


俺に毒舌を吐いたり、変な顔をしたりするけれど、中学の頃からバレーの試合は全て見に来てくれる。



小さい練習試合でも、俺が教えれば


『何時から？』



と当然のように聞いてくる。





だけどマネージャーはやってくれない。



面倒くさいらしい。




そういう風に、ちょっと抜けてるのもAの性格。






あやふやな関係なのかもしれないけど、これでいい気もする。





Aは俺の中では他の女の子とは違う。


明確な違いはわからないけれど



特別だってことは、確かだ。

3．わかってくれる。→←1．女の子。

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