もしも音駒高校バレーボール部に女子マネージャーが居たら。【HQ】

第21話　宮城の夜 ページ21

今さっき、お風呂に入りにいったように暗くて静かな廊下。
東京と違って車などの騒音もあまり聞こえない。
窓から見える景色は、月明かりに照らされた山々に見えるだけの少しばかり寂しい景色だけ。


「お前もあんなでっかい声出すなよ〜」

夜久は笑いながら私にいう。
そんな夜久の言葉に少し苛ついた。
私も大きな声を出すのは苦手だ。あれは、不可抗力だ。

「山本があんなとこにいるからいけないんだってば！」

そう怒った様子で私が言えば、またまた夜久は笑うばかり。
私はそんな夜久に苛つく。
そこまで笑わなくてもいいじゃないかなんて内心思う。

「ぁはは…。相変わらず変わってないなAはさ」

悪い意味でも良い意味でも取れるその言葉に流石の私もムカついた。

「これでも少しは変わったんです〜」

少し拗ねた様子を見てぽかんとする。


「背丈がでかくなってもお前はお前だな」

なんだか親が言うようなことをさらりと言う夜久。
お前は私の親かと内心、突っ込む

「やっくんってば、お父さんみたいなことよく言うよね」

なんとなくそういった。
そう何気なく呟いた。

「そうか？まぁ、Aとは小さい頃からの付き合いだもんなー」

腕組んで、お前は俺が育てたなんて凄んでいった。
その姿になんとなく笑ってしまった。

「ぁははは！何それ〜」

「お前がそういったんだろ？くふふ…」

そういうやり取りをやっている内に部屋に着いた。

「やっくん、ありがとうね。」

「おう、さっさと寝ろよ？おやすみ」

「それじゃあ、おやすみ」

そういって、扉を閉めた。
扉を閉めた瞬間、その日の疲れがどっと出た。
そして、死んだように深い深い眠りについた。

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