私の好物はバレー部の指です。

私の好物　２９ ページ30

赤葦side






＿＿＿＿あぁ、だから宮瀬は気まずそうにしてたんだ。


口をパクパクさせる大人数、知ってたというような顔の数人。


俺は……どうでもいい感じかな。






「だったらなにが言いたいんだよ」

「今まで散々苦しめて泣かせたくせに今更かよ」

「そうだよ。俺はAを何度も泣かせてしまった。
……もしかして、あんたAのこと好きだった？」







国見がそういえば、徐々に赤くなっていく日向の顔。

それを隠すようにバッとAを姫抱きした。







「…相手が元カレだろーが誰だろーが、ゆずらねぇ」







部屋から出ていく日向。しんと静まり返る部屋。唖然とする部員。

誰もなにも発せないでいる中、







「と、とりあえず各部屋に戻るべ！」

「そ、そうだな！今日もハードな練習ばかりだぞ！」







烏野の主将、副主将が空気をぶち破るように明るく言った。


みんなホッとしたような顔をし、ゾロゾロと部屋へ戻っていく。


「国見って宮瀬ちゃんの元カレだったのか…」「まじかよ…ショックだわ…」
などと聞こえた。ほんっとどうでもいい。





だって＿＿＿＿









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＿＿＿＿元カレだろうがなんだろうが、今のAを奪っちゃえばいいだけの話じゃん。

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