ブラジルへの大ニシキヘビの旅 ページ7
「ダドリー！ダーズリーおじさん！早く来て蛇を見て。信じられないようなことやってるよっ」
全速力でやってきた豚…ではなく、ダドリーが「どけよ、オイッ」と傍にいたハリーにパンチを食らわせた。吹っ飛んで床に叩きつけられるハリー。
「大丈夫？」
「なんとかね…イタッ」
やっぱり痛みに顔をしかめながらも、ハリーはさりげなくダドリーを睨んだ。その瞬間、驚くべきことが起きた。
「うわっ！」
ダドリーとピアーズはガラスに寄りかかっていたせいで突然のことにすぐ対応できなかった。ハリーを攻撃したツケを払ったのだ、馬鹿者が。
つまり、ガラスが消えたのだ。
「ぎゃあああああっ」
「うっわああっ、こっち来るなーっ」
「俺が何したっていうんだよ！わっ、やめろっ押すなっ」
周囲からは蛇を見た客から悲鳴があがった。館内はかなり押し合いへし合いで出口に駆け込む事態となった。駆け込み乗車じゃあるまいし…。
内心は冷静でいるものの私も行動と心情がかみ合っていなかった。驚きと若干恐れが混じってその場から動けずに固まっていた。
ただ、蛇が私たちの傍を通り過ぎた時、低いシューシューという音が聞こえたのだ。声だったのかもしれない。
「ブラジルへ、俺は行く―――シュシュシュ、ありがとよ。アミーゴ、アミーガ」
私たちはしばらく口をパクパクさせていた。やっと声を取り戻した時は再びガラスが現れてダドリーとピアーズは閉じ込められていた。ドンドンと中からガラスを叩いている息子を見てダーズリー夫人が恐れ戦いた顔をした。同じく夫人も外からドンドンとガラスを叩いた。無駄だというのに。
滑稽な姿を見て密かに私たちが嗤っていると、コッソリ忍び足で歩いてきた母が耳元で囁いた。
「…早く立ち退こう、面倒事は嫌だ」
面倒事を嫌う母のお決まりのセリフだ。かなりげんなりしていた。ダーズリー夫妻がそれほど面倒くさかったからなのか、それともこの後に起きることが面倒だと察知したのか分からないが。
他人ごとに巻き込まれたくないのは私も同じだった。ハリーには悪いが、ここは退散させてもらおう。できるだけ物音を立てずに急いで出口まで移動して立ち去ろうとした。
…が。
「あ、お客様！ちょっとお聞きしたいことがあるので…」
ショック状態の飼育員が自分の仕事を思い出したかのように我に返り、私たちをほとんど無理矢理引き戻した。
ダーズリー家の面面と一緒に、私たちはやはり面倒事に巻き込まれることになってしまった。
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ヘルガ(プロフ) - 笹野紗空さん» お父さんに会うことは確実なんですけど、どうなるかはご想像に…wこれから更新行ってきます、コメありがとうございました！ (2014年8月18日 15時) (
レス) id: 8c120b56a9 (このIDを非表示/違反報告)
笹野紗空(プロフ) - この小説大好きです！第二夢主さんがお父さんに合ったらどうなるのやら…ｗ 更新おつかれさまです！がんばってください (2014年8月12日 10時) (レス) id: db97eba549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヘルガ | 作成日時：2014年8月7日 12時
