クリスマス休暇前の波 ページ33
もうすぐクリスマス休暇が始まる。だがしかし。
「真っ白！前が見えない、前に進めない、こんな猛吹雪嫌だー！」
「風花ったらさっきからそればっかりしか言ってないじゃないですか…」
隣でアークタルスが呆れ顔をしていたが、今の私はそれさえも気にならなかった。
アルバス教授の話によると、ここホグワーツでは毎年膨大な雪が降り積もるらしい。盛大な寒気によってカチカチに凍り付く湖、雪に覆われた禁じられた森の木々。それらの雪景色はとても幻想的であるが、何より一番の楽しみは降り積もった雪で雪合戦をすることだった。
それなのに、こんな猛吹雪では雪合戦どころか自分たちが白い波にのまれてしまうではないか。
折角クリスマスはハリーたちと遊ぶために寮に残るメンバーリストに名を連ねたというのに。12月に入ってからずっと計画していたクリスマス休暇の予定が頭の中でバラバラ崩れ落ちていく。
「そんなの嫌だ〜！絶対雪合戦するんだ〜！」
白い雪は、私の喚き声も全て掻き消していった。
「えっ、ハーマイオニーは家帰っちゃうの？！そんな〜…」
クリスマス休暇前最後の日。私は突然のハーマイオニーの別れに衝撃を受けた。彼女が居なくなってしまったら、一体全体誰に課題のレポートを写させてもらえるというのだろう。すっかり気分が沈んだ私の肩に、ハーマイオニーはそっと小さな手を乗せた。
「私が居なくても、貴女にはハリーとロン、アークタルスも居るでしょう。何も永遠の別れじゃないんだから。仲良く休暇を過ごしてね。あ、ニコラス・フラメルの情報は引き続き調査よろしく」
あくまでハーマイオニーは冷静だった。
「…レポートは自力でやってね。」
しかも私の目論みまで見抜いていたようだ。さすがハーマイオニー…じゃなくて、何故ばれたんだ。
「私、ハーマイオニーにクリスマスプレゼント送るからね！あっちに着いたら手紙出してね」
「勿論よ。風花からの手紙も待ってるわ。それじゃ、良いクリスマスを」
その言葉を最後に、ハーマイオニーはホグワーツを後にした。私は、その小さな背中が遠くなるまでずっと見つめていた。
「さてと。それじゃ、早速課題終わらせてきますか。終わったらかまくら作ろうっと」
私は自室に戻り、魔法薬学のレポートは父に(ほぼ)手伝ってもらいながら課題を進めた。騒がしい談話室も、みんな休暇で帰ってしまうと静かで勉強に集中できた。ただ、人がいないせいかひっそりとした静けさに少々違和感と寂しさを覚えた。
続く
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ヘルガ(プロフ) - 笹野紗空さん» お父さんに会うことは確実なんですけど、どうなるかはご想像に…wこれから更新行ってきます、コメありがとうございました！ (2014年8月18日 15時) (
レス) id: 8c120b56a9 (このIDを非表示/違反報告)
笹野紗空(プロフ) - この小説大好きです！第二夢主さんがお父さんに合ったらどうなるのやら…ｗ 更新おつかれさまです！がんばってください (2014年8月12日 10時) (レス) id: db97eba549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヘルガ | 作成日時：2014年8月7日 12時
