深まる謎に重ねる父 ページ28
ハリーの杖を清潔に拭き取って渡していると、ドタバタとこちらに向かってくる音が聞こえた。
「まぁ！」
マクゴナガル先生の声は冷静かつ怒りに満ちていて、これはまずいなという推測は私でもすることができた。父は一瞬私を見て顔を歪めたがすぐに真顔に戻った。
「一体全体あなた方はどういうつもりなんですか」
私たちは厳しい視線と質問を投げかけられていてかなり言葉に詰まっていたが、暗がりから小さな声が上がった。ハーマイオニーだ。
「トロールを倒せると思って探しに来たんです…本で読んで、知ってましたから。みんなが来なければ今頃死んでました」
皆そうです、と頷いた。大方規則破りなんて絶対しないハーマイオニーの嘘に驚いているのだろう。私も内心驚きが隠せなかった。
グリフィンドールは総計5点を獲得し、私たちは寮に戻っていった。
正確には戻ってそのまま寮でパーティーしていたかったのだが、そういうわけにもいかず。
ハーマイオニーも含めみんなとちゃんと仲直りして、少しご馳走を食べて胃の中を満たした後に私は再び寮を出た。寮を出て、地下に向かう。地下からグリフィンドール塔まで戻ってくるのは大変なのだが、そう言ってもいられない。
見慣れた地下の魔法薬学教室に着いてドアをノックすると、「入れ」と中から声がした。
失礼します、と小さく呟いてから中に入ると、父は向こうから手招きをした。そこは父の事務室らしきところだった。「座れ」と言われて近くの椅子に腰かけ、父と対面する。
「…なぜ、風花はあそこにいたんだ？」
やっぱり質問される。父はハーマイオニーの嘘を始めから見抜いていたようだった。父の前で嘘を吐くのは適切でないと判断した私は、本当のことを話した。
「そもそもハロウィンパーティーには行っていなかったのだな」
こくりと頷くと、父は安心したように笑みを浮かべた。それから突如ガウンを膝までたくし上げた。
「これがもう一つの用件だ…ちょっと包帯を取ってくれ」
「…！」
出てきた足は酷くズタズタに傷ついて、おびただしい出血。一応の応急手当てを施した後、包帯で丁寧に巻く。
「お前が自ら飛び出して行ってなくてよかった…三頭犬にでも噛まれたら大変だろう？」
「父さん、あそこに行ったの？なんで…？」
問いかけても、父は弱弱しく微笑むだけだった。私がなんで三頭犬のことを知っているのかという疑問すら出てこないようだ。
父さんが例の包みを狙うはずがない。だとしたらどうして？
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ヘルガ(プロフ) - 笹野紗空さん» お父さんに会うことは確実なんですけど、どうなるかはご想像に…wこれから更新行ってきます、コメありがとうございました！ (2014年8月18日 15時) (
レス) id: 8c120b56a9 (このIDを非表示/違反報告)
笹野紗空(プロフ) - この小説大好きです！第二夢主さんがお父さんに合ったらどうなるのやら…ｗ 更新おつかれさまです！がんばってください (2014年8月12日 10時) (レス) id: db97eba549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヘルガ | 作成日時：2014年8月7日 12時
