ろくでもない飛行訓練 ページ21
木曜日の朝食の大広間。
「―――でね、とっておきの飛行のコツがこれよ…」
ハーマイオニーの大演説の真っ最中だった。私がグリフィンドールのテーブルに向かって歩いてくると、周りに集まっていたみんながこちらに救いを求めてきた。急いで通り過ぎようとするとそれを狙ったかのようにハーマイオニーががっしと私の肩を掴んだ。
「痛い痛い痛い、ハーマイオニーやめて離して」
「何言ってるの、貴方も飛行のコツ知っておかないと恥さらしになるわよ」
痛いくらいの力への驚愕より、絶望した悲鳴の方が大きかった。しかし、ちょうど梟便が届いたことでその悲鳴も上げずに済んだ。
ハーマイオニーが梟便に気を逸らしたおかげでみんながわっと散っていった。私も講義に付き合わされずに済んだことでかなり開放感を感じていた。ついさっきまではいつもと普通に朝食食べる予定だったのに、人間出来事でかなり変わるものだ。
さて、私はというと白梟の真白からまた郵便物を受け取っていた。母からだ。一日一個、母はなぜか蛙チョコをくれる。別にそんなに蛙チョコが好きなわけでもないのだが、実は高級の蛙チョコだったりする場合も時々ある。おまけに蛙チョコを捕まえるのはもう慣れた。
ネビルはみんなにあるものを見せていた。
「見てみて！思い出し玉だよ。こうやって握って、赤く光ったら…」
その先の言葉は続かなかった。私も一度母に見せてもらったことがある。確か、赤く光ったら何かを忘れているサインなのだが、ネビルはその何かが分からなかったらしく首を捻っていた。
午後三時半。いよいよ飛行訓練最初の授業だ。なんだか緊張してきた。
「何をぼやぼやと！早く箒の傍に立ちなさい、ほら」
マダム・フーチの鋭い鷹のような目から逃れるように、箒の傍に急いで立つ。彼女の指示通り右手を箒の上に突き出す。たちまち周りから声が上がった。
「上がれ」
私が言うと、箒はすっぽり手の中に収まった。でも、みんなは結構苦労しているみたいだ。その後も困難だらけだった。箒の握り方やまたがり方などを教わったが、ほとんどついていけていなさそうな子もいた。
「こらミス・上陰、何をしているんですか空を見上げて」
マダム・フーチの声でハッとした。ほとんど上の空で話が聞けていなかったのだ…まぁ、なんとかなるよ。
しかし。事は起きてしまった。
「ネビル！ネビル・ロングボトム！今すぐ下に降りてらっしゃい！」
マダム・フーチが必死に叫ぶが、間に合わなかった。
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ヘルガ(プロフ) - 笹野紗空さん» お父さんに会うことは確実なんですけど、どうなるかはご想像に…wこれから更新行ってきます、コメありがとうございました！ (2014年8月18日 15時) (
レス) id: 8c120b56a9 (このIDを非表示/違反報告)
笹野紗空(プロフ) - この小説大好きです！第二夢主さんがお父さんに合ったらどうなるのやら…ｗ 更新おつかれさまです！がんばってください (2014年8月12日 10時) (レス) id: db97eba549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヘルガ | 作成日時：2014年8月7日 12時
