ーーでよかった ページ2
｢コジマ店員、誕生日おめでとう！！｣
扉の向こうには、いつもメンバーが立っていた。
｢ええっ！？な、なんで！！｣
｢来ちゃった。｣
｢迷惑だとは思ったんですけど、どうしてもってアブさんが。｣
｢そう、みんなに無理言って来てもらったの。コジコジの誕生日、昔みたいに祝いたくって。｣
ぶわっと、今までこらえていたものが溢れ出してきた。
恥ずかしいはずの涙なのに、でもそれはとまることを知らなくて。
むしろたくさん溢れてきてしまう。
｢もう、泣かないって決めたのに…！！｣
｢コジマさんが泣かないなんて無理に決まってるでしょ。｣
｢コジマさん泣き虫ですもんね。｣
｢うるさい…うるさいっ…！｣
Tシャツの襟で涙を拭っていると、アブさんがよしよしと頭を撫でた。
俺はどこまでも弱くて子供なんだ…。
｢今日は沢山泣きな。今まで抑えてたぶん、沢山泣けばいいの。それで、明日からはまたみんなに元気な姿見せよ？｣
｢俺はまだまだ歳重ねてないですけど、でも話を聞くくらいなら、少しのアドバイスならできます。歴だけは長いですからね。｣
｢30っていう、ある意味節目の年で不安なこと、これからのことで悩むって言うのはわかる。俺も悩んだし。そういうのはね、話せば楽になるんだよ。｣
｢だから俺達でよかったら話して？｣
セピアさんは優しく微笑んだ。アブさんも、つわはすさんも笑って頷いた。
やっぱり、TAKOSっていいな。
TAKOSでよかった。今は表に出てないけど、でもこうして祝ってくれるTAKOSが好き。
そう思ったらまた涙が溢れてきちゃった。
もう、みんな俺のこと泣かしてくるんだから。
｢ありがとう…！！｣
｢いいえー。あ、コジコジにケーキ持ってきたんだよー。俺とはすおで作ったの。｣
｢俺は手伝わせてもらえなかった…。｣
｢だって、セピアさん…。｣
俺はみんなの手をぐっと引っ張って中に連れ込んだ。
みんなはそれを待っていたかのように笑い、家の中へ入っていった。
ーHappy Birthday、コジマ店員
続く
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作者名：水無月咲夜 | 作成日時：2016年8月21日 16時
