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８・たくさんしりたい ページ9
『ねぇ、ザック』
「ん？」
『錬金術って結局何なの？』
『魔法とは違うんでしょ？』
『でも科学とも…ちょっと違う、んだよね？』
『よく分かんないよ』
「…曲がりなりにも錬金術師の家で世話になってるのに君って奴は……」
『だってえ！今までお勉強であっぷあっぷだったんだもの！』
「結局とか、つまりとか、そうやって一言に纏めるには複雑なんだよ」
「そもそもの起源は知ってる？」
『金を作ろうとしたんだよね。だから錬金術って呼ばれてる』
「………」
「それもそう。その永久性の延長で不老不死の研究もしている。
我々の理解の外にある者が、世界を作り賜うたとき産み落とした、世界の理、奇跡、 そういったものを解き明かす人達、と言うとロマンチックで君好みじゃないかな」
『ほあー…かっちょいー』
「魔法の祖であり、科学の母体であり、人間の導である。とね。何かにあったな」
『錬金術師ってかっこいい！』
「うん、それでいいんじゃない」
『あたしも錬金術出来るかなあ』
「なんで？」
『かっこいいから！』
「ふーん」
『あとね、パパのお手伝い出来るかなあって思って…』
「………たぶん君の遺伝子情報の方が遥かに喜ばれるよ」
『それはやだ！こわい！』
「だろうね」
『ザック！守ってね！』
「いつも守ってあげてるじゃないか」
『ザックはなー、たまに裏切るからなー』
「自分で逃げる術も覚えなくっちゃあね」
『ほらやっぱり！わざとじゃんかよ！』
(こどもだってかんがえてます)
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作者名：うすしお | 作成日時：2019年10月8日 9時
