宝石の少女【ブラッククローバー】

No.30 : 香ばしい ページ34

in.食 堂
アスタside…
　



「じゃ、お風呂入ってくるわね」

「おーう」

「ちゃんと食器、水に漬けといてよ」

「おーう」

　

“覗かないでよ”、“誰が覗くか”

定番の言葉を交わし、食堂から女子が出て行く。ぞろぞろと風呂場に向かう女子達の後ろ姿を見ながら、見て得るメリットなんてないだろ。とマグナ先輩がぼやいた。猫背になりながら湯気の立つシチューに息を吹きかけていた。
マグナ先輩の言葉に毎回ぴくりと反応するのはフィンラル先輩だった。


「見て得るメリット？そんなのものもしらないのかい！？人生の半分損してるよ！！」


「…いや、わかってんのか？それただの犯罪だからな」


「きめぇ…。マリーと一緒に風呂に入った方がマシだ」


「……アスタくぅぅーん！！」


「…うわぁぁー？！」
　

皆ひどい！ひどすぎるよ〜！と、泣きながら俺の足に巻き付いたフィンラル先輩。やめなさい！と払う。

その姿を見ながら、シチューを頬張るマグナ先輩が、


「…そういや、Aは風呂とか入って大丈夫なのかよ」

「んぇ？」

「だってよ、水の水圧とかでまた割れんじゃねぇの？なんつったっけ、髪の名前。あれすっげぇ脆いんだろ？」

なんだっけー。と悩みながらもスプーンでシチューをすくった。熱くないよう息を吹きかけて、ゆっくりと口に運ぶ。半分減ったのに、まだ立っているシチューの湯気がマグナ先輩のグラサンに曇りを作った。
しばらくしてマグナ先輩が、ォー。と言い始めた


「なんつったっけなぁ〜。フェー……ん？ちがうか。ポペ…ポペポファ…………ポペポファライトだろ！」


「ちがいますよマグナ先輩〜。フォスフォファフロフラフェロフェロライ……………あれ」


「だーはっはっ！！やっぱお前もわかってないんじゃねぇか！だーはっ」


「フォスフォフィライトだよ」


「………」


豪快に笑っていたマグナ先輩がピタリと止まる。なっ…。という声は、ラックに注がれた。


「僕、1回小さい頃に実物見たことあるから。覚えてた」


「は……………はああああああああ！？」


「ちょっ……危ないですよ！！」


　
あっちぃー！！と叫んだマグナ先輩。いわんこっちゃない。スプーンに大量にシチューを入れたままだったので、驚いて席を立った衝撃で手に垂れてしまった。
無駄に香ばしい匂いがする手を振り回して


「アスタァ！お前ちょ…タオル持って来い！なんかふくもの！なんでもいいからぁぁ！」


「うえっ！？あ…はいっす…！」

　

　

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チャ「今日のチャーミー占い!!」

今日は海!エビさんカニさん…海鮮料理…!

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