【M.SSP】HORSEPLAY：NEO【短編集】

【Hot Day】A ページ35

(夢主彼女設定)




『あっつ…』

エアコンがきいた室内でも、火を前にすると、じんわりと肌に汗が浮く

ぐつぐつと茹だる鍋の中には、夏の定番の素麺
リモコンを手に取り、温度を下げる

テレビにはお昼のニュースが写っていて
またもや猛暑日になるらしい
まだ"とろけそうな日"と呼ぶには温度が足らないみたいだけど、今年も暑くなりそうね


箸で鍋をかき混ぜると、ちょうどタイマーが鳴ったので、素麺をザルへとあげ、食卓へ1人分の素麺を用意する
台所へ戻るとチャイムの音が鳴った

『はいは〜い』

エプロン姿のままで玄関まで行くと、私がドアノブへと手を伸ばす前に、勢いよくドアが開いた


『おつかれさま！おかえり、あろま』
「A……あぁ〜…ただいま」

あろまは疲労と暑さで溶けかけていて
冷たい麦茶を渡すと勢いよく飲み干してしまった

家主はソファーに寝転び、猫のように、めいっぱい背伸びをした…やはり自分の家は落ち着くらしい


『マンゴーとスイカあるよ、食べる？』
「食う〜…」

数時間前、15時間を超えるゲーム実況生放送を終えて、やっと帰ってきたところで
最近はSMTも忙しくて、部屋の掃除をあろまに頼まれてたんだけど、相当お疲れモードらしい


冷蔵庫で冷えたスイカとマンゴーを一口大に切って、あろまの所へ持っていく

『どうぞ、どっちも甘くて美味しかったよ』
「ん〜」

とろんとした瞳で、ゆっくりと瞬きをする

『やっぱり食べるのやめとく？』
「ん゛〜」
『ふふ、はいはい』

スイカをひとつフォークに刺して
『はい、あーん』と口元へ持っていけば
上出来、と言わんばかりの笑みを浮かべ、あろまは美味しそうにそれを食べた

「マンゴーも」
『どうぞ』
「(もぐもぐ)…そーめんも食べる」
『はいはい、今もってくるからね』


結局フルーツも素麺も、全てあろま1人で平らげてしまった

「シャワー浴びたら…寝るから」
『掃除は一通りしたし、買い物もしてきたよ。晩御飯は一応用意しておくね！多分起きる前に帰っちゃうと思うけど…寂しくないよね？』

意地悪な質問も、今の彼なら

「寂しい！帰るな！！泊まってけ！！！」
『ふふ、だと思った』

素直な彼は珍しいから、お言葉に甘えて泊まらせて貰おうかな


「生放送見てたんならお前も眠いべ？ふぁ…寂しいから、一緒に寝ようぜ、A。なんならシャワーも一緒に」
『はいはい！はやく入ってきて！お皿洗っておくから！！』


騒がしい、僕らの夏はまだ始まったばかり




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