【七等星】F ページ20
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黒髪で眼鏡をかけた男子が、ドアの隙間からひょっこりと顔を出す
少しの沈黙のあと、申し訳なさそうな声が聞こえた
「あの…鍵…」
『………あぁ！もしかして美術部の人ですか！』
謝りながら美術準備室の鍵を渡すと、彼は俯きがちに天体室の鍵を差し出した
『わざわざごめんなさい、持ってきてくれてありがとう』
(帰るつもりだったけど…せっかくだし少しぐらい見ていこうかな)
お礼も言い終わり、天体室に向かおうとしたが
目の前に立っている彼が一向に動こうとしない
どうしたんだろう、と顔を上げると
彼は私の奥に広がる夜空に釘付けになっていた
『どうか…した？』
「………あ、いや！ごめん！今流れ星が見えたから……」
そう言って恥ずかしそうにまた顔を俯ける
『運いいね！今日ふたご座流星群が良く見える日なんだ』
私がそう言うと、彼は驚いたように顔を上げた
「あの、もしかして天文部の人ですか？」
『そうですけど？』
「！！…あの、俺、１回、天体室に入ってみたくて……」
本来、天体室は屋上と同じく
ほとんどの生徒が入室禁止になっている
『もしかして、宇宙に興味ある？』
「ある！すごいある！！」
食い気味なその返事に思わず笑ってしまう
……将来部員になるかもしれない生徒なんだから、1人くらい構わないよね！
『私はA、あなたは？』
「え、FBです」
『FBくん、天文部へようこそ！』
こっちこっち！と手招きをして
FBくんから受け取った鍵で天体室のドアを開けた
彼は目の前の大きな天体望遠鏡に目を輝かせていた
『これで月のクレーターや火星や木星なんかを見れるよ！』
「へぇ…！！」
『使うのには準備がいるから、また今度来てくれたら用意しておくよ！』
「いいの？」
あまりにもキラキラとした瞳を向けられるものだから、思わず私のテンションも上がってしまう
『あのさ、時間あったらなんだけど』
『今から…ふたご座流星群一緒に見ない？』
言い終わってから、自分の言葉がデートの誘い文句に聞こえてきた
(初対面の人に、何やってんだわたし！！)
恥ずかしさを噛み殺して彼の顔を伺うと
キラキラした瞳はさらに輝きを増していた
「いいの！？流星群ちゃんと見るの初めてなんだよね！」
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はっさく(プロフ) - 魅夢さん» 魅夢さん！ありがとうございます！もう終わらない気がしてきました！でもきちんと終わらせますので、更新はゆっくりお待ちください笑 (2020年2月16日 1時) (
レス) id: 85b98bbbbb (このIDを非表示/違反報告)
はっさく(プロフ) - せくやさん» せくやさん！素敵なコメントありがとうございます！私の拙い文章力で良ければ…！(笑)ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年2月16日 1時) (レス) id: 85b98bbbbb (このIDを非表示/違反報告)
魅夢(プロフ) - 【満艦飾とファンファーレ】すごく好きです！続き楽しみに待ってます！ (2020年2月14日 15時) (レス) id: 42b3633d53 (このIDを非表示/違反報告)
せくや - はっさくさんの作品、とても素敵で一気に読みました！素晴らしい表現力だと思います。私にも、分けてほしいぐらいです(笑) これからも、更新頑張ってください！ (2020年2月9日 19時) (レス) id: 585d871cb4 (このIDを非表示/違反報告)
はっさく(プロフ) - Naoさん» 笑ってる方ですかね？(笑)DM送らせて頂きました！ (2019年8月4日 20時) (レス) id: 85b98bbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はっさく | 作成日時：2018年9月28日 1時
