人間界に＿＿ ページ29
銀行から出ると、太陽の光に瞳孔がキュゥッと縮こまる。
ハリーは買い物リストを見て考えてるようだ。
そんなハリーを見かねてか
「制服を買った方が良いな」
ハグリッドが声をかけた。
Aはその声に反応せず俯いていた。
ハグリッドは眉を少し下げ、店の看板を顎でさした。
「なあ、A・ハリー
『漏れ鍋』でちょっとだけ元気薬をひっかけていいかな？
グリンゴッツのトロッコにはまいった」
ハリーは良いよっと明るく答え、Aの手を握った。
握っていない方の手でハグリッドが見えなくなるまで手を振っているハリーはとてもかわいい。
店に入ろうと足を進めたとき、ハリーの手が引っ張られた。
「？
･･･どうしたの？A」
『ハリー
･････元の世界に帰ろ』
その言葉はハリーにとって死よりも残酷な言葉であった、一瞬でハリーの目は見開かれ笑顔を消した。
「なんで？」
それでもハリーは怒鳴ったりせず、優しく聞いたのだ。
『･･･私なんだかこの世界に来ちゃ行けない気がする
元の世界に戻ったら２人で暮らそう
おじさんとおばさんの元には帰らず、２人で＿＿』
「嫌だ！！」
Aの言葉を遮り、声を荒げるハリー
「なんで！？
僕達この世界じゃヒーローになれるんだよ！！
元の世界じゃ腫れ物扱いされたけど･･･
ここだったらそんな扱い受けない！！」
ハリーが大声で怒鳴り続ける。
『･･･私は････』
Aの瞳がやっと地面からハリーの顔に動く。
『･･･怖いよ』
初めて見た姉の不安そうな目にハリーもグッと喉がなる。
一息おいて弱々しく開くAの口
『･･･じゃぁ･･私だけ････戻るよ････』
掠れたちいさな声、しかしハリーの耳にははっきり聞こえていた。
「ッ！！」
ハリーの瞳に涙が浮かぶ。
姉から離れた事がないハリー
喧嘩も言い合いもない。
姉はいつもハリーを見守り、ハリーに着いてきた。
居て当たり前の存在
居ないなんて考えたこともない。
「嫌だぁああ！！」
聞いたことのないような声が路地を走り渡る。
ハリーのこんな声は聞いたことがない。
ボロッと緑の瞳からこぼれ落ちる大粒の涙
『･･･』
いつもならハリーの涙が零れるような事があれば、怒り焦り
Aも悲しむ
なのにこの時だけAはハリーを見据えているだけだった。
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ROI - 間違えてますかね(..;)間違えてたらすみません。私映画ではなく本を頼りに話を進めております。映画と少し内容が違う所があるかと… (2018年3月30日 2時) (
レス) id: 28f134f02b (このIDを非表示/違反報告)
庵 - リリーはペチュの姉だったはずやない？ (2018年2月6日 0時) (レス) id: 781a67beb0 (このIDを非表示/違反報告)
クーロ - 名前変えました。また更新始めようと思います！！皆さんのコメントが私の力になってます(^O^) (2016年10月31日 17時) (レス) id: 4eaf9b6dd8 (このIDを非表示/違反報告)
0vp07346pj245f(プロフ) - 面白かったです。続きなるべく早めにお願いします。 (2016年10月30日 19時) (レス) id: bbd1cd5dd2 (このIDを非表示/違反報告)
0vp07346pj245f(プロフ) - 早く更新してください。楽しみで仕方ない。 (2016年10月26日 16時) (レス) id: bbd1cd5dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ROI | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2016年6月4日 22時
