おまじない【CS】 (ページ47)

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学校にはまともに行かなかったものの、頭は良かったため進学は可能であった。どうせいけない日があるのなら、変に説明するのも面倒くさいし、単位制のある高校に通いたいと思った。現在は楼蘭高校の1年生として単位制クラスである7組に在籍中。

兄が死んだ過去故に自分に異常なほどストイックで死に対する恐怖が人一倍強い。
命を軽々しく投げ打つような人が嫌いというのも、そのような人と仲良くしてしまったらその人が死んだ時に自分が辛いと分かっているからこそのもの。本能的な自衛に近いだろう。

ボーダーメーカーの仕事は死と隣り合わせであることは人一倍わかっているつもりではあるが、誰にも死んでほしくないという欲求が強い。命を投げ打つような人に一度問いたい、「残される側の気持ちも考えたことがあるのか」と。
自分が死んでもと言う人は現代に腐るほど存在するが、澪はその考えを良しとはしない。今すぐに捨て去って欲しいと思っているほど。

奴らに対しての憎悪はもちろんあるが、その代のボーダーメーカーにも原因があるのではないかと考えている。

澪自身が気づいていないが、肩書きで全てを判断する人が嫌い。
兄のことに関しても、おそらく「真田家の長男」という肩書きで実力に見合わない仕事が割り振られたのではないかと考えている。
今はひしひしと感じている。自分は「真田澪」として見られているのではなく、「真田家の次男」という肩書きを見られているのだと言うことを。誰しもがそうやって見ている。そんなつもりはなくとも、知っている知識と無理やり結びつけて考えたくなるのが人間だと分かっている。兄の方で十分に分かったつもりでいたが、いざ自分がそう見られていると実感すると変な重圧を感じて精神的にキツかったりする。

こんな感じだから、ボーダーメーカーの時よりも学校の方が生き生きしている。周りの無知に救われているのだろう。

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