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「母さん」⇄「澪くん」
澪のお母さん。
今年で43歳の筈なのだが、30前半と間違えられるほどに若見えする。
混じり気のない真っ黒な髪が鎖骨あたりまで伸びている。結っていることはほとんどない。目は澪と同じ紫色。
身長は161cmで澪とそんなに変わらない。女性にしては高い方であろう。姿勢が良く、栄養管理も怠らないためすごく健康。
直近5年間くらいは全く風邪を引いていない。
見た目はまさに大和撫子のような女性であるのだが、実際は結構強気で、勇猛果敢という言葉が似合う女性。
「夫と結婚したからといって、夫の言いなりになるつもりはない。私は私の好きだったあの人がいる限り、支えるだけ。」といっている通り、父が子供に対して間違ったことを言っていれば、それは間違っていると普通に言う。
ただ、それは責め立てるための行動ではなく、「お互い間違えることもあるのだから、間違っていると思ったら、間違っていると言えるような関係になろう」と婚約時に決めたことを守っているだけなのだ。
強気でプライドが無いわけではないが、自分の非はしっかりと認めることができる。自分ができるからこそ、変なプライドにいつまでも縋っている夫に苛立って仕方がない。
しかし、これは夫の性格上の問題であるとわかっているし、夫もなんとなく間違っていることに気づいてはいるようなので、今は様子見期間。あと1年、澪に対しての向き合う姿勢が変わらなければ、今まで通りに言いにいく予定。
結婚の決め手は、見た目の割に精神が弱いということを知った瞬間だった。デートの当日に雨が降ってずぶ濡れになっただけだったのに、その後ぶつぶつ独り言を言い出してメンタル崩壊寸前だったという。その時に、「この人には私がいないとダメなんだな」と感じたらしい。
「あら澪くん、おかえりなさい。上着は預かっておくわよ。上着？ブレザー？…まぁ、どっちでも良いわね。もうご飯はできているのだけれど、お風呂がいいかしら？…そう、書庫に行きたいのね。わかったわ。ご飯の用意はしておくから、呼んだらすぐに上ってくるのよ。いいわね？」
「こんな時間に…またお仕事？…私は見えたこともなければその戦いを経験したこともないからわからないけれど、結くんの一件もあって、すごく危険なことだってわかったつもりなの。だから…ちゃんと帰ってくるのよ。」
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