おまじない【CS】 (ページ25)

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「貴方、こんなところで何しているんですか？貴方、ボーダーメーカーでしたよね？何故動かないのですか？いざという時に動けない腰抜けは命を落とすだけなので帰ってください。背負えないと思う荷は放棄していただいて構いません。ただし、もう二度と、自身がボーダーメーカーであると名乗ることはしないで下さい。貴方のような人がいるとボーダーメーカー全体の士気に関わります。ここはぼくが片付けておきますので早く帰って下さい。邪魔です。」

「Aさん、おはよう御座います。これから普通の方のお仕事ですか？ぼくは今から学校に行くところです。今日は少し寝坊してしまったのですが、Aさんに会えたので、そこまで悪い日でもないかもしれないですね。…それではぼくは失礼させていただきます。朝は交通量が多いので出勤時はお気をつけください。」

「Aさんは何故ボーダーメーカーになろうと思ったのですか？…いえ、少し気になりまして…。ぼくは、真田という名を持って生まれた時からボーダーメーカーになることが決まっていた様なものなので。正直、ぼくは自分の命を投げ打ってまで誰かを救いたいと思うほど心が綺麗ではありません。そこまでして、誰かを救いたいと思う人の気持ちも理解し難いです。だから…その…。自ら望んでボーダーメーカーになったAさんのお気持ちを聞くことができれば、少しは理解できるかなと思いまして…。無理にとは言いませんので、教えていただけませんか…？」

「…今日は随分と大掛かりな仕事なのですね。東境のボーダーメーカーの半数以上が集まるなんて、それだけすごい裂け目なんでしょうね…。先ほどから何をしているのですか？手のひらに指で何かを書いて食べるような動作をして…。人って書いて食べると緊張しなくなる…？そうなんですか？ぼくはやったことないので分からないです。今は緊張しているわけでもないので、今度緊張を感じた時にやってみたいと思います。しかし、それは本当に効くのですか？とてもじゃないですけど効いているようには見えないので…。…、あの、飴、入ります？糖分が入ると少しは落ち着くかと思われます。保証は…出来ないですけど。」

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