おまじない【CS】 (ページ21)

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依代ページ21

【依代】

ミサンガ

ミサンガと言えば、足首につけるのが一般的だが、澪の場合は兄が裂け目を閉じる際に掲げやすいからという理由で左手首につけていたため、澪も左手首につけている。ダサいとかは言ってはいけない。そんなことを言った日には体術で半殺しにされる。

亡くなった兄が都市伝説と契約する時に依代にしていたものとお揃い。赤、青、紫の3色を使って編まれている。真珠のように輝くやや大きめのビーズが均等に編み込まれていて、手作りの割には丈夫だし、ミサンガというよりもブレスレットのような見た目をしている。

兄が16歳になり、ボーダーメーカーとして仕事しなくてはならなくなって兄弟でいる時間が少なくなってしまうことを寂しく思った澪のために兄が1週間かけてあらゆるサイトを漁り、3度の失敗ののち、やっと完成した。
当時小学校6年生であった澪はミサンガの存在を知らなかったので、兄がつけてくれた。

兄は澪に対して「都市伝説と契約する時にはこのミサンガを依代にするからね。」という謎の宣言し、「会える時間が少なくなっても、これでずっと一緒だからな」と言って泣きじゃくっていた澪と指切りげんまんをした。

本人曰く兄の手作りであり、今でも一切ほつれてこない上に切れる気配もないらしい。一般的には太いものでも３年で切れると言われているが、既に4年経過している。

澪がこのミサンガを依代にした理由は、自分が持っている唯一の思い出深いものあり、身に付けられるからである。
澪にとって思い出深いものは色々ある。無形のものでも契約できるなら迷わず兄との思い出を選んだだろう。他にも、兄の着物の帯や遺骨などもあるが、流石に持ち歩くことはできないので諦めた。
そう言って段々と選択肢が潰されていく中、唯一残ったものが兄がくれたミサンガであった。その時の兄もこのミサンガで都市伝説と契約したということを思い出し、ミサンガで契約することを決めた。

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