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自分第一主義


他人に命を捧げるなんて馬鹿げている。他人のために死ぬなんて、絶対に嫌だと昔から言っている。

ボーダーメーカーに限らず、警察も自衛隊も、なんでそんなに自分の命を投げ打ってまで他人を助けようとするのかがわからない。どんなに熱心に語られたとしても、たぶん一生理解することはないだろう。

この考えを一度、父親に話したことがある。その時は「ふざけているのか」と怒鳴られ、本気で殴られた。
父親の考え…というより、真田家の考えとして、「人の命を救うことこそ、私達の生きる意味」となるっていて、そこに自分の命と身内の命は含まれない。つまり、「自分の犠牲にしてでも人を救え」ということだった。

澪はその考えに対して口にはしないものの、今でも猛反発している。人の命を救うことは確かにすごいことに間違いないけれど、自身の命を投げ打ってまで誰かを助けたいとは思わない。身内でないのなら尚更。
そもそも、自分はボーダーメーカーになりたくてなっているわけではない。生まれた時から決まっていた職種であり、運命だと思ってやり過ごそうと思っていたが、「命をかけろ」と言われれば話は変わってくる。なりなくてなったわけでもないのに、何で知らない人のために自分の人生を終わらせなくてはいけないんだ。そんなの自i殺と何ら変わりないだろうと考えている。

誤解を払拭しておくが、救うことに対して疑問を抱いているわけではない。
自分を含め助かる確率が高いのであれば、迷わず助けに行く。

「みんなを助けたい!」とか言っている人には冷たい視線を送っている。
そんなことできるわけがないと知っているから。そう確信させる体験を過去にしているのだろう。
ヒーロー気取りで夢を見るのは勝手だが、自分より先輩なのだから夢と現実の区別くらいはつけて欲しいというのが本音。

作戦中に自暴自棄になってくるのもやめて欲しい。勝手に死に急ぐ人も嫌だ。
残された人の気持ちを考えて欲しい。死んだやつは楽になれるかもしれないけど、残された人たちには、深い傷が残るということ。その傷が、一生残る人もいるということをしっかり理解した上で行動して欲しい。



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作者名:らとる | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2023年10月24日 18時

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