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明日大都会横浜に行くためにホテルへ移動をしていると、唐突に電話がかかってきた。
『…あ、もしもし?』
[もしもしー!!!!]
『修平さん元気っすねぇ…』
[まぁねぇ!…ねぇそれ俺のだってば!]
『は?』
いつもに増して異常なほど陽気な修平さん。そして後ろで聴こえる誰かの声。…配信者と酒飲んでるな。
こうなったら奥の手だ。
『…酔ってんな?不倫すか?別れます?俺じゃない方がいいんでしょ?』
[え、やだ、別れない]
ぴた、と騒がしかったほかの音も無くなる。
『なんで?俺置いて誰と盛り上がってるんすか。俺が居ないからっていくらなんでもそこまで酔うくらい飲んでるって事っすよね?』
[ご、ごめん…あのね、ほんとに、…ごめんね、でも別れたくない、ごめん]
声が震えてる。こりゃ二日酔いする時の酔い方だな。
『…別れませんよ。とにかく今すぐ水飲んでください。』
[ありがと、ほんとにありがとう、]
『…はいはい。』
すると、うっすら他の人が水を持ってきた声がした。
[らっだぁさん、それAさんっすか?愛されてますね]
[らっだぁさーん、水どうぞー]
[ぅん、]
『…』
トラゾーさんと鬱先生か。じゃあしにがみさんとかきっくんさんとかも居るんだろうな。
『…しにがみさんに水飲ませました?』
[あ、飲ませました〜]
[よくしにーいるの気付きましたね!]
『メンツはだいたい分かるっす。…旦那をよろしくお願いします』
スピーカーにしているのだろう。かすかに反響した俺の声が聞こえる。
[鉗、ごめんね、ほんと、ごめんね]
『大丈夫っす。…らっだぁさん、本当に飲みすぎないでね』
[うん…名前呼びじゃないんだ…]
電話の向こうにいる人たちは[本名!?]と騒ぎ立てている。
本名で呼ぶな、なんて思っている自分が居るが、実際ちょこっとだけ嬉しかったりもする。
『…どうせ覚えてるのが一番嫌やなぁ…』
[え?なんて?鉗ー、?]
『なんでもないっす。俺これからホテルなんで一旦切りますよ?』
ふと我に返る。
まだこの酔っ払い修平さんを堪能していたいが、生憎ホテルにチェックインしなければならないので通話を切ろうとする。
[待って、やだ、繋げてて]
『…ッすぅ…はい。じゃあマイクオフにして爆速でチェックインしてきます』
[待ってる]
『うん』
しかし、修平さんが可愛すぎるせいで切れなかった。
なんでそんなに可愛い?
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如月 - どハマりして2時間ぶっ通しでここまで読みました…最高すぎますマジで本当に大好き。ブラウザの民ですが更新心待ちにしてます。季節の変わり目なので体調にお気を付けてお過ごしください…。マジで好き… (4月23日 5時) (レス) @page17 id: 8435ceb2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ISIDA_DER | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2024年3月28日 3時