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Side Fkr
今日は残業。
とはいえ急ぎではないけど。
中途半端にするのも嫌だったので、泊まりで終わらせようという魂胆だ。
こんな時、Aがいてくれれば、なんてね。
「お疲れ様でーす。」
え。
この声は俺が今一番求めていた人の声で。
でも今日は定時帰りしてなかったか？
「え、A！？どうした？」
俺と目が合えばびっくりしたように笑うA。
でもその顔は引き攣っていた。
「あぁ、忘れ物取りに来た。」
嘘だってバレバレじゃん。
キャリーケース持って忘れ物取りに来るってどういう状況だよ。
「嘘、でしょ。こんな荷物持って。」
半ば呆れながら私の荷物に目をやる。
「うん、嘘。他の人はいないの？」
「みんな帰って、俺だけだよ。」
「そっか。今日、ここ泊まるの？」
「うん、その予定。」
あっさり嘘だと肯定するのもAらしいな。
「私も泊まる。シャワー、入ってくる。」
俺と、Aで、泊まり！？
予想していなかった急展開。
というかなんで泊まるんだ？？
驚きと疑問で手は完全に止まっていた。
そんなうちにシャワーから上がってきたAが現れる。
「私も、手伝うよ福良。」
ちょっと待て、色々まずい。
今のAの格好は必要最低限のものしか身につけていない。
いくら仲がいいとはいえ、彼氏持ちの女の子としてはまずいんじゃないか！？
「A服着て。」
「あんまり持ってない。それに幼馴染だしいいじゃん。」
「そういう問題じゃない。パーカー貸すから。」
慌ててオフィスに常備していたパーカーを着させる。
幼馴染…やっぱそうだよな。
「仕事はもう大丈夫。夜は食べた？俺もシャワー浴びてくるからその間に食べちゃいな。」
逃げるように部屋を出てバスルームに駆け込む。
理性が持たないって。
好きな子があんな露出してたらさすがにキツい。
俺だって男だよ？
そうは見てもらってないけどさ。
熱めのシャワーをさっと浴びて、用意していたものに着替える。
静かに執務室に戻ればソファーに腰掛けぼうっと何処かを見ているAがいた。
今日こそは、Aの話を聞くんだ。
もう、耐えられない
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作者名：星ノ瀬豹&歌音 | 作成日時：2022年7月31日 18時
