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Side You
朝。
けたたましくなる目覚まし時計のおかげで目が覚める。
ここは、家…
私昨日かなり酔ってたよね？
若干痛む頭を使いながら考える。
だめだ、わからない。
スマホを確認してみればちゃんと福良からLINEが来ていた。
福良おはよう。調子はどう?
昨日は俺が送って行ったから、家にいるんだよ
今日会議あるけどゆっくりでいいからおいで。
あぁ優しすぎる。
また福良に迷惑かけたな。
A色々ありがと。今から向かう。
スマホをしまってふと周りを見回すと、まだ裕介が帰ってきていないことがわかった。
一体どこの女の家泊まってるんだか。
もう怒りさえ感じることはない。
そこら辺にあったシャツを来てオフィスに出勤する。
「あ、おはよ、A。体調大丈夫そ？会議室IIに来てね。」
出勤早々福良に声をかけられる。
「まぁまぁかな。りょーかーい。」
自分のデスクに荷物を置いてパソコンだけ持って会議室IIに向かう。
ドアを開ければそこにはもう福良が待っていた。
「始めようか。」
それから私たちは、しばらくYouTubeの企画のことなどを話し合った。
かろうじて頭痛は治まっていた。
１時間ほど経てば、予定していた話し合いは終わっていた。
すこしだけ早いがお昼にしようと近くのコンビニに一緒に出かける。
だんだんと日差しが強くなって来ている。
ほんのちょっと、夏の訪れを感じるこの頃。
「ねぇ、そういえば、さ。Aって彼氏いたんだね。」
ドキリと胸が鳴る。
私がひたむきに隠していたことをなぜこの男は知っているのだろうか。
すこし考えると案外簡単に答えが出る。
あぁ、昨日か。
「まぁ一応。前の会社の取引先の人。」
「一応ってなんだよ笑」
そう言って笑う君の顔がひきつって見えたのはなぜだろうか。
「その人とはうまく言いってるの？やっぱり、その…結婚する感じ？」
なんでこの男はこんなに佐々木裕介に興味を示しているんだろうか。
あんな…クズ男に。
「結婚かぁ。ほど遠いかも。」
事実、あんな奴と結婚なんて絶対無理だ。
でも私は関係を切ることもできていない。
「福良は？彼女いないの？」
「いないよ。」
「そっか。」
2人の間にしばらく沈黙が流れる。
少し、安心した。
一体これは何の安心かは全くわからないが。
そのうちお昼を買い終わって、何事もなかったように私たちはそれぞれの仕事に戻った。
悲しさと安心が滲む福良の瞳が、脳裏に張りついていた。
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作者名：星ノ瀬豹&歌音 | 作成日時：2022年7月31日 18時
