斬るのも刺すのも御手の物其ノ弍 (ページ8)

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念仏７行目ページ8

『まずは、第二部隊を探さなくては話は始まらないな。』

「それならば、南西へ向かっては如何でしょう？」

『南西へか？』

「はい、私は幾度かこの地へ足を運んでおります。私が赴いている時もそうでしたが、毎度の如く敵将への道を外れ南西の方角へと進んでおりました。」

『それ故に南西か…
よし、ならば、他に意見がなければ吉光が言った方角へ進む。』

「異論はありません。」

「拙僧は隊長殿の判断に任せよう。」

「ええ、僕も異論はありません。」

「ああ、俺もそれでいい。」

他に異論もない、ならば西南へと進むか

ー南西ー

『そろそろ何かと出くわしてもいい頃なのだが…』

「そうですな…」

「一期一振殿、本当にこちらへお越しになったことが？」

「ええ…ですが、何故か今日は戦場の雰囲気が…」

『それは、直感か？』

「え？ええ、それに近いです。」

『そうか、ならばその勘は正しいだろうな。』

「ん？それは、どういう事で？」

『普段から戦場へ赴いて、その場の空気を読んでいるの我々は直感という人間でいうところの第六感の様なものが瞬時に働く。
だから、空気が変わればそれなりの変化に気づくことも有り得る。』

「なるほど。
だが、勘違いと言うこともありうるのでは？
そんなあやふやなモノを信じて別の方向へ進むよりも、このまましっかりとした方角、南西へ向かった方が良いかと。」

『確かにそれも有り得る。ならば、お前はこのまま南西へ迎え。
オレは自分の戦場で培った勘とこの場の空気を頼る。勿論、オレの指示に従うと言うのならばそれでもいい。
他の者も、蜻蛉切のように、自分の考えを信じて進むのならばそれも有りだ。
その代わり、この道具を渡しておく。先にそちらが、第二部隊を見つけたのならばオレ達にも教えてくれ。
では、オレについて来たければ付いてくればいい。来ないのならば、そのまま南西へ向かってくれ。』

オレは蜻蛉切に鶴丸の部屋からくすねた信号弾を手渡し、方向を南東へと進路を変えスタスタと歩いて行った。

はたして、何振り付いてくるのか…
いや、もしかしたら、付いてこないかもしれない。

だが、アレがあれば問題ないだろう。
オレも一応持ってはいる訳だし。
しかし、使い方が分からないとなると、どうしようも無いな…

あぁ、たしか…吉光の弟のよく言う言葉で今の状況に相応しい言葉があったような…

『…あぁ、そうだ、「なんとかなります」だったな…』