斬るのも刺すのも御手の物其ノ弍 (ページ11)

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念仏９行目ページ11

左文字の次男…えっと…ずっとこの呼び方は流石にアレだな…

宗三が上手く誘導してくれて、太刀のオレたちでも迷わずについていけた。

すると…

「居ましたよ。」

宗三がピタリと動きを止め、そう言った。

木々の隙間から様子を伺うと、傷ついた仲間を守りながらも戦う鯰尾や他の刀達が居た。

『耳を塞いでいろ。音がでかいようだから鼓膜が破れるかもしれない』

「わかりました。」

二人が耳を塞いだのを確認してから、空に向け信号弾を撃った。

バキュウゥゥゥーーーーーン！！！！

赤い色を纏った煙が空高く駆け上がり、一筋の赤い線を描いた。

赤い信号弾が打ち上がったと同時に、宗三と吉光のが飛び出していった。

オレも二人に続いて検非違使へ駆け出す。

「いち兄に、宗三さん！！八丁さんまで！！」

「助けに来てくれたのですね。ふふっ、流石デス。」

『お前達は先に帰還して手入れを受けてこい。』

「ですけど…！」

『負傷したお前達を救出するのがオレ達の役目だ。ここでお前達に折れられては、親方様の命に背くことになる。
それに、戦場での指示は部隊長のオレに託されている。分かったら、さっさと帰還しろ。』

「はい、わかりました！！…折れないで下さいね。いち兄も、宗三さんも！！」

「はい、兄様をよろしくお願いします。」

「必ず帰るから心配要らないよ。」

第二部隊ん先に帰還させた後、蜻蛉切達も信号弾を確認してこちらへ駆け付けてくれた。

『さぁ、二度とオレ達の前に現れられないように、よーく揉んでやるとするか。
行くぞ！！』

「「「「「「応！！」」」」」」