猫

番外編 04.25.　夢 ページ36

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夢を見た。




まことくんと初めて会った時。


まことくんが『好きだ』って伝えてくれた時。


まことくんが病室に駆け込んできてくれた時。


まことくんのお仕事場に行った時。




パーッと流れていく映画のようなふわふわした映像。

それが夢だと分かった時、何となく、もう終わりだって気づいた。


根拠なんてない。

ただ呆然と、何となく。




「ごめん、起こした？」

「んーん、大丈夫、」




もう終わっちゃうんだ。

まだまだやりたいことはたくさんあったのになぁ。




“私たちは付き合ってます”って公表して、


広くて高層階のマンションを買って、


わんちゃんを飼って、子どももできて、


子どもと一緒にLIVEを見に行って。




でももうそれは叶わない。









まことくん


だいすき


生まれ変わってもまた一緒にお散歩できるといいね、








「は、？なに最期みたいなこと、(笑)」




わかってた。

余命宣告をされた時から。


でも、もしどこかに私がおばあちゃんになるまで生きることができる世界線があるとしても、私は今の世界線で十分幸せだと思う。




「……っ、Aの好きそうなドラマ録画したから帰ったら見よ。一緒に。絶対ね。あと昨日の夜中の週刊EXILEも出てたし、それからッ、」

「まことくん」




そう思えたのはきっと全てまことくんのお陰だ。

まことくんが私の人生に現れてくれなかったら、きっと死ぬ間際にこんなに穏やかな気持ちにはならなかったと思う。




「リハ、頑張ってね」




ありがとう、たくさんのワガママに付き合ってくれて。


ありがとう、看病してくれて。


ありがとう、死ぬまで一緒にいてくれて。




ありがとう、私を愛してくれて。









さよなら。









________番外編 fin.









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