猫

12.25.Mon ページ11

.









「ふふっ、面白いね(笑)」

「そう？もう超面倒臭いよ」




クリスマス。

今日は僕が誘おうとした直前、まさかのAに誘われてしまった。

いや、いいんだけど。


……クリスマスぐらい、僕が誘いたかった。




「寒くない？大丈夫？」

「ぜーんぜん！手繋いでるから暖かいよ」

「っ、」




イルミネーションに照らされるAは本当に綺麗で、一生この時間が続けばいいと思っていた。




「……ねぇまことくん」

「ん？」




少し前を歩いていた楽しそうなAとは打って変わって、振り返ったAはなんとも言えない表情をしていた。




「……別れよっか、私たち」

「は、？なんで、」

「もういろいろ疲れちゃった、」




疲れたってなんだよ。


今まで喧嘩もしたことも無くて、

毎回毎回心から楽しそうにしていて、

さっきだって“綺麗だね”って、……、


全然そんな素振り見せなかったのに、……。




「僕なんか嫌なことした？……もう嫌いになった？」









「……好きな人ができたの。引越し先で。」









振られた側はこっちなのに。


なんで僕より辛そうな顔してんの……？









.

01.26.Fri→←12.22.Fri

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す