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桃side
濱ちゃんが言ってた引き出しを開けると、俺のスマホが入ってた
どーせ暇やし、いじってよ
そう思って、電源を入れた
え…
待ち受けに、俺と濱ちゃんが写った写真があった
びっくりすると同時に
忘れてたものが、蘇ってきた
アルバムを開くと
俺と濱ちゃんの写真か、濱ちゃんの写真ばっかり
生徒会室で撮った写真
デート中に撮った写真
帰り際に撮った写真
どんどんどんどん、鮮明になっていく
俺らが付き合ってたことも
濱ちゃんをかばって、車と衝突したことも
全部、全部
なんで俺、こんな大事なこと、忘れてたんや
これで分かった
なんで流星たちがあんな怒ってたのかも
なんで濱ちゃんが、毎日目ぇ腫らして来たのかも
バカ、バカ、俺のバカ
痛む体を抑えながら、濱ちゃんを探す
なんか叫んでる看護師さんの声も、今の俺には聞こえへん
濱ちゃん、濱ちゃん
桃「濱ちゃん！」
出口にいた濱ちゃんを呼び、後ろから抱きしめる
紫「望！？」
桃「ハァ…ハァ…思い出した…ごめん…ほんっまごめん！」
紫「思い…出したん…？…」
桃「おん。全部」
紫「ふっ…うぅ…ばか…あほ……良かったぁ…ほんま…」
桃「ごめん」
濱ちゃんはこっちに向き直って、俺の胸に顔を埋めた
紫「うぅ…っく…ひぅ…」
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作者名：神山たかひろ | 作成日時：2020年3月1日 12時
