小さな教会 ページ3
「･･･なあ、オスマン。最近どこに行っているんだ？」
ここは我々国。
そして今、朝食の席で発言したのはこの国の総統、グルッペン・フューラーだ。
「最近･･･？外交には行ってないんやけど･･･」
そしてその問いにあざとく首を傾げるのは、外交官のオスマン。
「違う、朝食が終われば決まって何処かへ行っているだろう。隠し事はなしだゾ」
オスマンは朝食の後、必ずどこかへ消えていた。
消えたと言っても5、10分経ったら部屋に戻って居るし、特に変わりはないから良いのだけれど。
だがそんなことが1ヶ月続けば気になってくるわけで。
グルッペンは溜まりに溜まった疑問がつい口から飛び出してしまった。
「･･･嗚呼、教会や。ちょーっと天使様にお祈りをしにな」
「天使様？何だそれ。どこの教会だ」
「どこの･･･って、城のやけど」
城って･･･城に教会なんかあったか？と聞くと、
城に何があるかくらい把握してや、と呆れられる。
「トントンなら分かるやろ？裏庭にある教会」
「教会･･･？あ、あー･･･、あれか。あのオンボロな教会」
「トン氏も分かるのか･･･」
とほほ、とグルッペンが落ち込んでいると、オスマンは何かを閃いたような顔をする。
「そうや、良かったら今日一緒にお祈り行かへん？」
まさかの提案に、2人は少しばかり顔を歪めた。
「･･･いや、俺書類やらんと」
「俺も宗教には興味無いな」
2人が断ると、オスマンはぷくっと頬を膨らませて不満そうな顔をする。
「ええやん〜、グルッペン場所把握してないんやろ？もしもの為にちゃんと見とこうや」
「･･･まぁ、確かに。しょうがない、行くか」
場所把握の為と、もうひとつ。
祈りが終わったら書類サボろう。
何時ものように言い訳をして総統室から出てサボるのではなく、今回はちゃんと祈るという理由がある。
我ながら良い考えだ、とグルッペンは頷いた。
「トントンも行くやろ？グルッペン、ついでにサボろうとか考えてるみたいやし」
「ギクッ･･･」
「此奴今自分でギクッて言ったぞ」
冷や汗をダラダラと流しながら違うんだトン氏！と言い訳をしているグルッペンに溜息をつき、トントンは俺も行くわ、と返事を返した。
オスマンは口角を三日月形に上げ、やっためう〜と喜んでいる。
その様子を見て、2人は上手く理由をつけられたな･･･と感じていた。
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ひぐさん(プロフ) - カスタードさん» 応援有難う御座います〜、気付かなかった…態々有難う御座います。訂正させて頂きました！ (2020年6月7日 8時) (
レス) id: dcd65c88e0 (このIDを非表示/違反報告)
カスタード - 30ページのhtさんとの会話の所で（名前）ではなく【リサ】になってますよ（ボソッ）…ヤンデレ系好きなので、何周も読ませて頂いています、ありがとうございます (2020年6月7日 2時) (レス) id: 7ad0432a29 (このIDを非表示/違反報告)
ひぐさん(プロフ) - 豆腐の中の棒人間さん» 有難う御座います、そんなに褒めて頂けるとは恐縮です。イラストですか！？ぜひお願いしたいです。嬉しいです！ (2020年5月25日 10時) (レス) id: dcd65c88e0 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - 初コメ失礼します。世界観がとても素敵で尚且つ表現や言い回しが心に響きました。段々と病んでいく彼等が個人的にとても好きです…！もし宜しければの話なのですが、夢主ちゃんのイラストを描いてもよろしいでしょうか…？これからも陰ながら応援しています。 (2020年5月25日 10時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひぐさん(プロフ) - 黙示録さん» 有難う御座います！表現頑張ってるので見て貰えるのが凄く嬉しいです。 (2020年5月25日 9時) (レス) id: dcd65c88e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぐさん | 作成日時：2020年5月23日 21時
