私の彼氏はATM【跡部景吾】

頭の中はどうなってる ページ8

「･･････。」


目の前にあるものは

この世の人類が食べていいものなのだろうか。

そうでないのだろうか。


謎の赤い汁。

まるで、この世の人間。誰かを生けにえに捧げて作った様な物体。


それを誰が食うのだろうか？



「前から気になってたんだよね。このラーメン。すごく美味しそうだ。」


そう。


私の兄だ。



「これは、胃にとても悪いと私は思うけどそう思うのは私だけなのか？」

「Aは食べないの？」


「いやいやいや。これ私が食べたら三秒後には逝っちゃうから」

「大丈夫だよ。僕今生きてるし。」


ダメだ。

伝わらない。

そして、今。

私に食べさせようとしているのは

幻覚だと信じたい。



「はい。A。あーん」



幻覚じゃなかった。

もう、だったら私の五感を奪ってくれよ神の子さん。

今こそイップスのチャンスだよ。

ね？ね？

私の五感を…いやもう感覚と味覚だけでも奪ってください。

ドM発言とかじゃなくてさ。

「あ！わかった。これだけじゃ足りないのか。頼もうか？」


何いってるんだい？

足りる足りないの問題じゃなくて

いらないんだよ！！！

わかって。

察して兄さん。

「･･････。わかった。」

わかってくれたのか！

よかったよかっ…

「あーん。じゃなくて口移しがいいんだね？」





よくねぇぇぇぇええええ！！！

何をどう考えたらそうたどり着く！？

天才なんでしょ？

ねぇ？ねぇ？

待って。

「周兄。頭おかしい。どうしたの？やっぱりそのラーメンが良くなかったのか？」

「え？跡部と付き合ってるどっかの妹よりは大丈夫な気がするよ？」



……………………負けた。


そんな気がした………。


ガラガラガラ………




「A！！！無事か！？」


「あ…あ…アホ部！！！！」

テニキュア！→←迷子のデート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す