隠し事なんて。【梵天】 (ページ40)

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気を取り直して尋問を再開させる。

『で？
　喋る気ある？』

…この表情だと無いか。

たまに全てを諦めて自分から話し出す奴がいるが、それは全くもって楽しくない。

喋る気が無い奴から情報を引き出すのが楽しいのだ。

『じゃあ聞くね
　まずは…なんで梵天に侵入したの？』

こいつは梵天の構成員を装ってアジト内に侵入してきた。

それに他の構成員が気付き、めでたく捕まったというわけだ。

手当たり次第心当たりを聞いていく。

『お前のボスに頼まれた？
　違う？
　あ、自分で恨みがあったとか…違うか
　なんだろう
　知らない奴に金で釣られた？
　お、これね』

「Aさん…すごい」

「だろ？」

だから後ろの2人うるさいってば。

まあいい。

『じゃあ次
　報酬はどのくらいだったの？
　9桁？10桁？11桁？
　えぇ…8桁？
　8桁ね
　ちょっと少ないんじゃないの
　関係ないけどさ』

梵天の情報入手なんてそんな簡単にできることではない。

1000万単位で受けてしまったこの男は、金欠だったか梵天を知らないかのどちらかだろう。

梵天を知っているものなら少なくとも10桁は要求するはずだ。

どちらにしても私には関係ないのだが。

『依頼してきた奴の名前って知ってる？
　知らないか
　それはちょっと面倒だね
　梵天の情報掴めたかしら？
　まあそうだよね
　潜入されたくらいで情報を渡す梵天じゃないわ』

「なんで喋ってないのに分かるんですか…」

「あいつは読心術を極めてんだよ
　極めすぎて気持ち悪いくらい
　相手の表情の微妙な変化だけで心の中を全て読み取りやがる」

「…気をつけます」

「そうした方が身のためだ」

なんか竜胆すごい失礼じゃない？

「なあA
もう終わりそうか？」

『お前らがうるせえから終わんねえんだよ、ふざけんな』

「……」

『次次〜
　これが最後の質問ね
　脳天ぶち抜かれてすぐ死ぬか、拷問されてから死ぬか
　どっちがいい？』

そう笑顔で問いかける。

そいつはガタガタと震えだした。

『どっちでも良いの？
　どうする？』

「Aさん
　今日私に殺しやらせてくれるって言ってましたよね？
　そのために来たんですけど…」

『そうだ
　じゃあごめん選択肢なしで
　1発で逝かせてあげる』

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