今日俺合作短編集！【今日から俺は！！】

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『...っ、！』


普段なら手を繋ぐことさえも恥ずかしがって「フジュンイセーコーユウだ ！！」なんてどこで覚えたのか意味の違う言葉を叫んで手をブンブン振り回していたのに、今日は一体どうしたんだ。積極的過ぎる。

まるでいつもの今井さんではないみたいで、けれど戸惑いもなく私の体に力強い手で触れていく姿に不覚にも格好良いと思ってしまうのだから恋は凄い。


不意打ちで真っ赤に染まっているであろう頬をなるべく見られないように今井さんから顔を逸らそうとするけれど出来なかった。私を見据えるその黒い瞳は視線を逸らすことを許さない。真剣な面立ちのまま黙っていた今井さんの唇がゆっくりと開かれる。

ごくん、と生唾を飲んだ。



「...アナタが好きです。可愛い所も、笑った顔も、どんなことにも一生懸命で困っている奴を見ればほっとけない優しい所も、無理をした時や喧嘩で怪我した時に俺の為に怒ってくれる所も、全部好きです」



撫でるような優しい声色。
愛おしそうに柔らかな表情を向け、日々の喧嘩故にゴツゴツとした大きな手で私の頬を添える。

胸の鼓動がとても煩い。もしかして沸騰しているんじゃないかと焦る程に顔が熱くて熱くて、腰に廻されるその腕が力を込められていく。




「この先、何が起こったとしても俺がAさんを全力で守ります。愛しいたった一人の大切なアナタを手放したくない、」

「俺を選んでくれたアナタを何がなんでも一生を賭けて幸せにします、だから この先もアナタのお傍に俺を置いてくれませんか ？ 」



今井さんは私の後頭部に手を当てて自分の胸板へと押し当てる。言葉では形容が出来ない感情が込み上げて、理由もなく自然に流れ出た涙が今井さんの服をじんわりと濡らし始めた。

ゆっくりと腕を伸ばして今井さんの背中へと廻し力を込めれば今井さんは私の頭を優しく撫でながら更に強く抱き締めてくれる。



「愛してます、Aさん。いつまでも」


心地の良い温かさに、愛しい人のぬくもりに、涙が止まらない。今井さんからの言葉一つ一つが私の心を満たしてくれる。哀しくもないのに、苦しくもないのに、溢れ出るこの涙の意味は一体なんなんだろう。こんなにも嬉しいのに、泣いてしまうだなんて。





「俺からの愛、今度こそ伝わりましたか ？」

『...うん。とても、』

「それなら良かった」



顔を上げたその向こうで、
今井さんは嬉しそうに笑っていた。

そういえば今日は、私達が付き合った 記念日だ。



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こんにちは、恋心さん（伊藤）・花火2016→←君に愛を伝える （ 今井 ）ミカド

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