君に愛を伝える ( 今井 )ミカド ページ5
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「Aさぁぁぁんっ ! 好きです !」
『は、はい !! ...って、え !』
ズズズズズ、と効果音でも付きそうな勢いで突然今井さんが私に大きな足音を立てながら近付いて来た。前々から突発的な言動をする人だとは理解していたのだけれど、彼と長く恋仲でいる私でさえもその予測不可能な彼の行動にまだ慣れてはおらず突然のことについ裏声で返事をしてしまう。
そんな私を気にも止めずガシリと私の両肩を鷲掴みにする今井さんの力強い圧迫感に私は好意を告げられた余韻に浸ることなくその迫力に気圧され反射的に後退ってしまった。
今井さんは躊躇無くそんな私との距離をぎこちない足取りで縮めていく。一体あの初心な今井さんは何処に行ってしまったのか。
「好きです ! 大好きです ! 愛してますAさん ! 俺と墓場を共にしませんか !」
『す、少し落ち着こうよ今井さん...』
「...って、あれ ? 俺の渾身の愛の一撃が通じないだとォォォオオ !?」
『今井さん !?』
色々な大事なものをかなりすっ飛ばしたようなことを言われた気がする。敢えて私はそれに無視をして出来るだけ冷静に今井さんを落ち着かせようとするも、今井さんは私を数秒真顔で見詰めればいきなり叫び出した。
...言い方が悪いかもしれないけれど、その行動がまさに奇行で恋人が何か大変な境地へと足を踏み入れている気がして思わず涙が零れそうになるのをぐっと堪えた。もしかして今井さん、ジョウチョフアンテーと言うそれに陥っているのだろうか。
大変失礼なことを頭に浮かべていれば、今井さんが私の両手を手に取り優しく掴んで来た。今度は何をするのかと身構えていればドアップで映し出される今井さんの顔がそこに。
『わっ ! ちょ、ち、近っ... !』
「Aさんっ ! 俺の顔を見て聞いて下さい !! これから俺がどれだけアナタを好いているか伝えますから !」
『大丈夫だから... ! 正気に戻って下さい今井さん !』
顔を前に微動させればすぐ触れられる距離にいる今井さんの顔。好きな人に必要以上に見詰められる恥ずかしさで顔を手で覆うとするも今井さんがしっかりと握っているので防御が出来ない。
足を後ろへ下げて今井さんから逃げようとすれば腰に腕を力強く廻され、今井さんの腕の中で呆気なく捕えられてしまった。
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メルア - 初めまして、私もやってみたいです!作るとすると○○しないと出られない部屋が多いと思いますが… (2022年1月24日 18時) (レス) id: a1a94a6f52 (このIDを非表示/違反報告)
しなちゃん☆元唯(プロフ) - はじめまして!私も合作したいです!良かったらいれてください。 (2020年3月13日 12時) (携帯から) (レス) id: d5a1fd8818 (このIDを非表示/違反報告)
大野葵(プロフ) - クソすぎる駄作者さん» めっちゃいいよおおおおお!!!!ありがたい…ありがとうございます! (2019年2月14日 19時) (レス) id: 7e884ae68e (このIDを非表示/違反報告)
クソすぎる駄作者(プロフ) - 大野葵さん» フレンドお願いします!ご一緒に合作したいです!(やはりタメはなれない(--;) (2019年2月14日 3時) (レス) id: 2effaca00b (このIDを非表示/違反報告)
大野葵(プロフ) - あ、元いぶきちゃんですを。 (2019年2月10日 15時) (レス) id: 7e884ae68e (このIDを非表示/違反報告)
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